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第34話
討伐、ダメ、絶対!
「こんなんでも王様だから……ね?」
「勇者様がそう仰るのでしたら、一先ず私の内におさめます」
「后……『こんなんでも』はひどくないか?」
『こんなんでも』は、嘘偽りなく『こんなん』だから無視。
あと『后』も、めんどいから無視。
「オルフェ」
「はい」
「王様」
「なんだい?后」
無視されたのに、まだ言ってる〜♠
「カイザーク」
「………」
条件反射でカイザークだと無口になるらしい。覚えておこう。
「二人は妙にお互いを敵視してない?」
「そんな事はないよ」
「勇者様の気のせいではないでしょうか」
どう見ても打ち解けている空気じゃないんだが。
魔法を使っていないのに、空気が肌寒い。
「じゃあ、二人は仲良し?」
「………」
「………」
「オルフェ?」
「………」
「王様?」
「………」
なぜ目を逸らす!
なぜ、カイザークと呼んでないのに返事をしない!
「二人は国王と宰相で、国の代表なんだから仲良くして下さい!
「それは……」
「そんなこと……」
「「できません!」ないよ!」
不仲なのに息ピッタリ★
「……ほんとは仲いいんじゃ〜?」
「それは「ありません!」ないよ!」
ギャ!
息ピッタリで全否定された〜
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