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第40話
「〜〜〜」
改めて思う。
憧れの竜騎士カイザークの正体が、王様だったなんて知りたくなかった……
「疑いも晴れた事だし、后。お城へ戻ろうか。未来の花嫁を六魔将の方々に紹介したいな♪」
「……結構です」
「誓いのキスもしたいんだね。分かった。皆様に見て貰おう」
王様、耳までイカれたか。
「オルフェ」
「はい」
「王様を収監して」
「かしこまりました」
「えっ!?后!?二人で監禁視姦プレイかい。かなり刺激的だね。でも君が望むなら……」
王様、頭までイカれたか。
「一人でやってて下さい!」
「一人でヤる……相互オナニー鑑賞会か。僕の后は過激だね。そんなところも愛しく思うよ」
「オルフェ、収監」
「御意」
「やっ、やめなさい!なんだい、その光り輝く檻は。僕は王様だよっ!」
「躾です」
「君の躾は必要としていない」
「檻の中で言って下さい。果たして、同じ事が言えますか」
「入るわけないだろう」
王様の右手に魔力が高まる。
闇の波動だ。
「僕がカイザークだって事、忘れちゃいないよね」
「えぇ。ですので全力でぶっ放しますよ。収監ではなく、あなた自身が光の粒子まで分解されてしまうかも知れませんが」
「えっ!?ちょっと、オルフェ」
聞いてない。
「王様を消すのは」
「王国には優秀な人材が揃っております。王が消えたところで、さしたる問題はありませんよ」
「勝手な事を言わないでくれ!君如きの力で消える気は毛頭ないよ」
「フレデリック王の最期のお言葉、魔軍宰相オルフェーヴルがしかと承りました」
「だからッ。最期じゃないからね!」
音と音
高速の光と暗黒の闇がぶつかる。
「招待するよ、君を闇の世界ヘ」
藍が深く、光を侵食する。
「《ゼロブレイク》!」
「剣技なしの《ゼロブレイク》で監獄を破れるとでも?光と共に消し飛びなさい」
高速回転する光が白く燃えた。
「《魔性のアリア》!」
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