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第7話
「作ってしまった。」
サンドウィッチに、スープ、サラダ。そんな簡単な料理でさえ日高は緊張していた。
時は5時間前に遡る。
櫂との4度目の行為をし、その余韻で微睡んでいる中、櫂は日高の頭を撫でながら言った。朝早く起きてお腹空いてたら適当に食べていいからな、と。
その言葉をぼんやり聞きながら日高は夢の中に落ちていった。
そして朝6時。普段から早起きの日高はいつも通り起き上がる。どうせなら櫂の朝食を、と思い冒頭のように作ってしまったが本当に作ってしまってよかったのか不安になった。
美味しくなかったらどうしよう。
手料理なんてセフレが作るには重かったか?
そんなことを思ったが、作ってしまったからには仕方がない。いらなかったら捨ててほしい旨を書いて、日高は櫂の部屋を後にした。
「暑いな…」
初夏の朝は、6時でもしっかり身体を熱らず。昨日の行為を思い出せば余計日高の体温は上がった。
4度目の行為は日高も流石に慣れてきたのか少し余裕があった。侵食するような快楽の中、櫂の息遣いも、温度も感じるくらい余裕があった。
そうなれば日高は櫂との距離が近くなった気がして、その奇跡がどうしようもなく幸福でそれだけで日高は果てそうだった。
(でもこれは奇跡なんだ。わかってる。)
日高はそう自分言いきかせる。大丈夫、幸せに終われる。と。
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