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第5話

部屋に入りベッドに寝転ぶ。 あーくそ、頭痛いし。気分もわりぃ。Prayしてたらこんな症状ないんじゃなかったかよ。 はー、イライラもするし。 ホント最悪。こんな性が本能的に備わってるとかマジ最悪でしかない。 ベッド横にある棚から抑制剤を取り出す。 一日一錠と決められているが、あまりにも不快で気分悪いから、一気に三錠くらい飲んでみようかな。そしたらマシになるかな。 手の平に薬を出そうとしたところで、ガチャとドアが開き、林田が入ってきたかと思ったら手首を掴まれ、薬を取り上げられる。 「てっめ、ざけんな、何すんだよ。返せ。」 掴まれてる手を振り払い取り上げられた薬を奪おうと手を伸ばす。 「紫音様。抑制剤は一日一錠です。今朝飲んだでしょ。」 林田がベッドに座っている俺を見下ろして言う。 その視線に僅かにゾクっと悪寒が走る。 「調子わりいんだよ。返せ。命令だ。てめえは俺の執事だろ。」 こいつが万が一にもSUBなら俺の出す命令に逆らえない。 「・・・・・・はあ。何を勘違いなさってるのかは知りませんが私はSUBではありません。」 命令に従わないからそうなんだろうけど。 「知らねえよ。subだろうが何だろうが俺がてめえの主人なんだよ。その主人の命令を聞けねえのかよ。それ、返せ。」 「欲求不満は不眠、イライラ、自律神経の乱れ、頭痛など様々な症状を引き起こします。無理矢理Prayしても相手も貴方も満足できるわけない。」 「何言ってんのかわかんねえし、俺に説教すんの?」 俺は立ち上がり少しでもコイツのいない空間に行きたくて部屋を出ようとドアのところまで行く。 「ふっ、まさかご自分で気づいてないんですか?」 いつも聞いてる声とは違う音で小馬鹿にしたように言う。 「は?何がだよ。つか、お前さマジで立場わかってんの?」 イラつく。腹立つ。 「てめえなんか俺が親父に一言言ったら即解雇にできんだよ。それ、わかっててそんな態度なんだろうな!?」 そうだ。コイツのせいだ。 コイツがウチに来て、俺の専属になったから俺の体調が優れねえんだよ。 何もかもコイツのせいだ。 くそ、イライラするーーー・・・・・・。 思えば思うほど、頭痛はするし眩暈もする。 「ご自分が調子悪いからと自分の立場振りかざして周りに八つ当たりする。紫音様は本当に子どもで、」 そこまで言うと、不敵な笑みを引っ込め、見下したような瞳で見る。 「クズですね。」 は? 低い声で淡々と放つ林田を見る。

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