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第15話
「紫音。おはよう。」
ダイニングにつくと、兄貴が座ってにこにことしていた。
「おはよ。」
そう返して自分の席につくと、物珍しそうに兄貴がじっと俺を見る。
「何?」
「いや、最近は紫音から返事くることになったからどうしたのかなって。」
「・・・・・・別に。」
「それに顔色もいいみたいだし。今日って時間ある?あるなら一度病院においで。」
「えっ!?」
チラっと林田を見る。
だってまさか昨日のPrayのこととか・・・・・・言えないだろ。
「紫音様。帰りは私がお迎えに参りますので病院行かれてはいかがですか。」
ね?と毎日毎日見慣れた世話役顔なのに、まるでーーー・・・・・・命令されてるようで従わざる得ないと身体が言ってる気がする。
「・・・・・・わかった。」
「紫音。本当にどうしちゃったの。まあ僕としては弟が素直になってくれて嬉しいけど。」
「別に。何でもねえよ!」
「お前の主治医として後でちゃんと話聞かせてもらうからね?あ、それと涼牙(林田のこと)も診察の際にはいてよ。世話役として話したいことあるし。」
「・・・・・・かしこまりました。」
「それじゃ、僕はもう行くから。また後でね、紫音。」
ポンと頭を撫で、ダイニングを出る。
兄貴が頭を撫でるのは小さい頃にはあったが、こんな歳になってからは初めてで今は俺もDomだし、兄貴は元々Domだけど・・・・・・撫でられるのは林田がいいって何でそんな風に思うんだろ。
兄貴の言うことをちゃんと聞いたから撫でてくれねえかなあ。
ダイニングは二人きりなんだしーーー・・・・・・じゃなくて!!何でまた、Subみたいな考えが過るんだよ!!!
残りの朝ごはんを食べ、食後のコーヒーを飲む。
「なあ、Switchってその・・・・・・どうやって切り替わるんだ?」
林田しか近くにいないことを確認し、疑問に思ってたことを聞いてみる。
だって学校で勝手に切り替わってたらまずくね!?
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