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第16話

「そうですね。例えば昨日みたいにDomのcommandで変わる、自分で切り替えられるなどありますが、Switchに慣れれば自分で切り替えられるようになりますよ。」 「それじゃ、」 「それと。一番危険というか、厄介なのはその人に従いたいと思った時ですね。無意識で切り替わってしまい、Subだと気づかれてしまいます。ですので、くれぐれも学校内ではSwitchだとバレないように気をつけて下さいね。」 俺の顔を覗き込むようにして注意を促す。 無意識で切り替わるってヤバくね? 「Domの皆さんが善良とは限らない。悪質で質の悪いDomもいて、無理矢理Prayされてしまう場合もあります。無理矢理だと最悪Sub drop( サブ・ドロップ )を起こしてしまう。そうならない為にも、くれぐれも気をつけて下さいませ。」 「・・・・・・おま、脅すなよ。」 「脅しじゃありません。忠告です。」 「わ、わかった、わかったってば。」 「ふふ、紫音様、私の言いつけをちゃんと聞けたのでご褒美です。」 「えっ?」 「《 Good boy( よくできました ) 》」 そう耳元で囁き頭を撫でられる。 ぶわぁぁと身体中が熱くなる。 兄貴に撫でられたときとはちがう。 command使われたからなのか、林田に褒められると嬉しいと感じてしまう。 「・・・・・・学校の用意する。」 急に恥ずかしくなって急ぎ足で部屋へ戻る。 そのままベッドへ横になる。 待って、待って、待って!!! 大丈夫だよな!? 俺、ちゃんと今はDomだよな!? 抑制剤も飲んだし、兄貴に対しては何の反応もしなかったから、恐らくDomで間違いないんだろうけどーーー・・・・・・。 何で林田だけには抑制剤も効かねえんだろ。 ※Sub drop(サブドロップ) 無理矢理Prayされたり、酷い目にあったときに起きる症状。意識を失ったり、最悪の場合は死亡くなるケースもある。

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