16 / 22
第16話
「そうですね。例えば昨日みたいにDomのcommandで変わる、自分で切り替えられるなどありますが、Switchに慣れれば自分で切り替えられるようになりますよ。」
「それじゃ、」
「それと。一番危険というか、厄介なのはその人に従いたいと思った時ですね。無意識で切り替わってしまい、Subだと気づかれてしまいます。ですので、くれぐれも学校内ではSwitchだとバレないように気をつけて下さいね。」
俺の顔を覗き込むようにして注意を促す。
無意識で切り替わるってヤバくね?
「Domの皆さんが善良とは限らない。悪質で質の悪いDomもいて、無理矢理Prayされてしまう場合もあります。無理矢理だと最悪Sub drop を起こしてしまう。そうならない為にも、くれぐれも気をつけて下さいませ。」
「・・・・・・おま、脅すなよ。」
「脅しじゃありません。忠告です。」
「わ、わかった、わかったってば。」
「ふふ、紫音様、私の言いつけをちゃんと聞けたのでご褒美です。」
「えっ?」
「《 Good boy 》」
そう耳元で囁き頭を撫でられる。
ぶわぁぁと身体中が熱くなる。
兄貴に撫でられたときとはちがう。
command使われたからなのか、林田に褒められると嬉しいと感じてしまう。
「・・・・・・学校の用意する。」
急に恥ずかしくなって急ぎ足で部屋へ戻る。
そのままベッドへ横になる。
待って、待って、待って!!!
大丈夫だよな!?
俺、ちゃんと今はDomだよな!?
抑制剤も飲んだし、兄貴に対しては何の反応もしなかったから、恐らくDomで間違いないんだろうけどーーー・・・・・・。
何で林田だけには抑制剤も効かねえんだろ。
※Sub drop(サブドロップ)
無理矢理Prayされたり、酷い目にあったときに起きる症状。意識を失ったり、最悪の場合は死亡くなるケースもある。
ともだちにシェアしよう!