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第20話 バレた?
ーー4限終了後
「朝霧くん!お迎え来たよ。」
ほぼ終了と同時に教室の後ろから入ってくる。
コイツも4限あるって言ってなかった?来るの、早くね?
「篠山。あのさ、ーーー。」
「わかった。」
篠山にあることを頼んで俺は教室を出た。
「嬉しいなあ。僕、ずっとずっと朝霧くんに興味あったんだぁ。」
他の学生がまだいる中、気にせずに腕を組みながら、甘ったるい声で話す。
また、興味って言ってるし。この言い方が違和感なんだよな。
「1年生のときに朝霧くんを見つけてからずっと話しかけたいって思ってたんだけど、いつも誰かといたからさ、なかなか話しかけられなくて。」
内村は腕を組んだまま人気の少ない棟へ移動する。
他の棟に比べて少しだけ錆びれている。
今年の夏休みから修繕するって言ってたのってここか。
どうでもいいことを考えながら連れられて来られたのは一つの教室。
「こんなとこまで来てpray希望なの?」
組んでた腕を離しながら、後ろ手にドアを閉める内村に聞いてみる。
「そうだね。pray・・・・・・してみたいかな。できるなら。」
よくよく見れば明るめの襟足長めの髪、175cmある俺よりも感覚的に10cmくらい低めで細くて折れそうなくらいだ。目が大きめでパッと見は女と間違うくらいだ。
「それならしてやるよ。うちむ、」
「朝霧くん。《 Switch 》」
ーーー・・・・・・え?
内村が一気に距離を詰め、俺のかけていた眼鏡を外しながら耳元でさきほどよりやや低めの声で言う。
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