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第21話
最初っから違和感を覚えていたんだ。Subのくせに強引なとこあったり、言動がわからないけれど本能的におかしいって言ってたんだ。
「な、おまえ・・・・・・どうして・・・・・・。」
「半信半疑だったけど、やっぱり朝霧くんってSwitchだったんだ。僕ね、相手のフェロモンがわかっちゃうんだよねえ。入学してから、キミとすれ違ったことが何度かあるんだけど、面白い匂いだなって思ってた。」
「・・・・・・それ、眼鏡返して。」
「まだ、僕が喋ってるんだけど?」
下から覗きこまれるように見上げながらやや威圧的に言うから、身体がビクっと震える。
「ご、ごめんなさい。」
「あははは、キミの噂、よく耳にするんだけど今までSubの子たちを随分と乱暴に扱ってたこともあったみたいだね?何で?《 Say 》。」
「さ、Subは・・・・・・支配されたがりで奴隷みたいにされると・・・・・・喜ぶと、思ってたから。」
「そーいうなら、今キミは奴隷みたいな扱いされた方が喜ぶってことだよね?」
身体がカタカタと震える。頭の中が真っ白になっていきそうな感覚。
違うって言わなきゃ、セーフワード、言わなきゃ。あれ?セーフワードって何だっけーーー・・・。
「朝霧くん、《 Kneel 》」
こんな奴に従うのが嫌だし、止めたいのに身体が本能が正反対の動きをする。
「この眼鏡ってさキミの家の執事やってる人のだよね?これ、首輪の代わりなの?まさか、パートナーじゃないよね?」
「ち、違う。パートナーじゃない・・・・・・俺が勝手に奪っただけ。」
「ふーん。それが本当ならいいんだけど、もし嘘ついたら、」
怖い。怖い、怖い、怖い、怖いーーー・・・・・・!!
「・・・・・・何でそんな怯えてるのさ。まだ何もしてないじゃない。」
怖い、怖い、林田・・・・・・助けてッーーー・・・・・・。
「あのね、キミの家にいる執事、林田涼牙。僕のだから、返してくれる?いいよね?これ、命令ね。」
耳元で言われ、身体が余計に震えて頷くことができない。
言うこと聞かなきゃ・・・・・・命令・・・・・・従わなきゃいけないのに・・・・・・怖い・・・・・・助けて・・・・・・怖いよーーー・・・・・・。
頭の中は真っ白で身体が震える。挙げ句の果てには息すらまともにできなくて、死にそうなくらいツライ。
その時ーーーバンっという大きな音と共に誰かが教室へ入ってきた。
「・・・・・・紫音様!?どうなさいましたか!?」
は、や・・・・・・し、だーーー・・・・・・?
「これはッ、まさかSub drop!?」
意識はあるけれど、林田の声が遠くで聴こえる。
林田に抱きかかえられているのか、抱きしめられているのか、さっきまで感じていた恐怖心は薄れていく。
フワっと上着を着せられる。林田の匂いーーー・・・・・・。
「紫音様、私が彼を何とかしますので、ここでおとなしく待っていて下さい・・・・・・俺のお願い、ちゃんと聞けるよな?」
抱きしめられて背中をポンポンとあやすように撫でながら、耳元でゆっくりと落ち着かせるように話す林田に安心しきっていた。
「・・・・・・うん、お願いちゃんと聞く。おとなしく待ってるから、早く戻ってきて。」
「全く、貴方って人はーーーいい子にできたら、ご褒美上げますよ。」
頭をよしよしと撫でてると、林田は内村の方へ行った。
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