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第4話

茶倉の手でソファーに寝かされる。 「茶倉待て、除霊って」 「せやから心霊治療や。知らんのか」 「知らんがな!」 関西弁が伝染った。脊髄反射で全力ツッコミする俺の上に跨り、茶倉が面倒くさそうに肩を回す。 「言い忘れとった。お前の霊姦体質な、貸した数珠はめとれば解決するっちゅーもんでもないで」 「そうなの?やっぱちゃんとした所でお祓いしなきゃ駄目?」 「こんなん気休め。応急処置。対症療法」 茶倉が面白そうに笑って俺の右手の数珠を突付き、至近距離で覗き込んでくる。目と鼻の先の端正な顔と、茶色がかった不思議な虹彩の色に魅入られる。 「お前の場合フツーに歩いてるだけで霊を引き付ける。今は数珠で予防しとるけど、霊は撃退できても瘴気を吸い上げるんは止められん」 「瘴気って」 「病や厄を運んでくる邪悪な気。昔はコイツが病気の原因って信じられとった、医療が発展した今は迷信扱い。拝み屋の間じゃ悪霊が発する負のオーラっちゅーのが共通認識、感染してもたら体調や心の安定欠いて不幸になる」 「真っ黒になる前に手を打たなきゃまずいってこと?」 俺が今してる数珠に瘴気が蓄積されてるのはわかった。リセットしなきゃ色々まずいのも痛感した。でもどうやって? 疑問符を浮かべた瞳で上目遣いにうかがえば、茶倉が挑発的に唇をなめる。 「瘴気は体ん中にたまるさかい、それを上手いこと出したれば解決」 「なるほどね……で、何で押し倒す訳?」 「童貞か?」 「ッ!」 ストレートな質問に赤面、返答に詰まる。茶倉の手が頬を包み、そこから滑り落ちて緩やかに首筋をさすりだす。 今まで誰にもされたことない淫靡な触り方で、皮膚の下の熾火をかきたてるように、未知の感覚を煽り立てる。 「『エンティティ~霊体~』て映画見たことあるか」 「ないけど……」 「アレは実話をもとにしたフィクションや。1970年代、ロサンゼルスに実在のシングルマザーが夜毎ポルターガイストにレイプされ続けた。お前と同じで犯人は肉体のない霊体……即ち悪霊」 「どうなったんだその人。助かったのか」 「ネタバレはせんといたる。ともあれ、シングルマザーはエクソシストを頼ったんや。餅は餅屋、幽霊は霊媒師っちゅー理屈。欧米じゃ悪魔による強姦はようおきとったらしい、女も男も手あたり構わずっちゅーからおさかんやで」 「!ッ、ぐ」 茶倉の手がボタンを外し、学ランをはだけて素肌をまさぐる。ヒンヤリした手が薄い胸板にあたり、生理的嫌悪で喉が仰け反る。 「やめ、ぁあっ」 「中から穢されてもたら中に入らな浄化できん」 暴れた拍子にソファーが軋んで転げ落ちそうになる。茶倉に触れられた途端力が吸い取られて、抵抗の意志が急激に萎んでいく。 「よせよ茶倉くすぐった、ぁっふ」 ソファーを掻いて必死に逃げる俺の腕を掴んで固定したかと思いきや、右の鎖骨の上、薄い皮膚にくるまれた突起を吸い立てる。 何がどうなってんだ?俺、茶倉に犯されんの?漸く悪霊に強姦される悪夢から解放されたかと安心したのも束の間、次は拝み屋の孫にケツを狙われるなんて……。 「感度は上々。開発され済みか」 瞼の裏が真っ赤に燃え上がる。 「どけ!」 怒りに任せて右手を振り抜き、茶倉の頬を張り飛ばす。やっちまった。手のひらがじんじん痺れる。人を殴るのなんてダチとじゃれる以外じゃ初めてかも……疼く手を庇ってあとずさり、おそるおそる声をかけた。 「大丈夫か?ごめん、わざとじゃねえんだ。お前が変なことするからパニクって、その」 「あーあー別にかまへんよ。気にすな」 茶倉があっさり両手を挙げて受け流す。整った顔にチラ付く軽薄な薄笑い。 ソファーの端に寄って呆然とする俺をよそに、さっさと帰り支度を始める。 「カラオケ代は割勘でええ?」 「茶倉……おい?」 「何ぼけっとしとんねん、帰るで」 「だってまだ除霊が」 「しとうないんやろ?ならしゃあない、悪霊とずこばこ楽しめ」 学生鞄を担いだ茶倉に選択を委ねられ、肘掛に乗り上げたまま葛藤する。 茶倉はドアに手をかけたまま、体半分だけこっち向けてる。目には冷ややかな色。今ここで断ったら、本当に帰っちまうんだろうなと思った。 「!痛ッ、」 右手首に圧が加わる。小さく呻いて見下ろせば、全部の数珠が真っ黒に濁ってるのに息を呑む。しかもひとりでにギチギチ食い込んできて、皮膚の色が変わり始めている。 「あ……」 今、コイツに見捨てられたらどうなる? また悪夢の日々に逆戻り?金縛りで手も足も出ず、成す術なく悪霊に犯され続ける夜が再開するのか? 嫌だ、まっぴらごめんだ。漸く安心して眠れるようになったと喜んだのに、また…… うなじに生臭く生温かい息を感じる。何かが後ろにいるのが振り向かなくてもわかる。不可視の手が足に絡み付いて、下半身から上半身へ這い上ってこようとしてる。 「お前にまかせたら、ちゃんと追っ払えるんだよな」 「せやな」 「数珠をキレイにしてくれるんだよな?」 「かもな」 茶倉がおざなりに頷いてドアにもたれる。俺は小刻みに震える手でボタンを一番下まで外し、足元にズボンとシャツを脱ぎ落とす。 「じゃあ、してくれ」 「言葉遣いがなってない。やり直し」 「っ……お願いします、除霊してください」 今見捨てられるのが一番怖い、今の俺には茶倉しか頼れる人間がいない。 怒りと屈辱に拳を握りこんで繰り返せば、茶倉がだるそうな足取りで戻ってきた。 緊張に引き攣る顔で一挙手一投足を見守る俺をよそに、ソファーに踏ん反り返って顎をしゃくる。 「跪け」 大人しく言われた通りにする。 「ジッパー下ろせ」 「俺が?」 「不満か」 「やるよ」 情けなく震える声で応じ、ためらいがちにズボンのジッパーを下ろす。 「自分で出して唾をかけろ」 「これ……除霊に関係あんのかよ」 「やっとかんと後がキッツイで」 その言葉の意味を深くは考えないようにして、ぎこちない手付きで茶倉の下着を寛げ、萎えたペニスを掴みだす。 「嫌な顔すな、自分のはしょっちゅうさわっとるやろ」 「ふにゃっとして気持ち悪ィ……次はどうしたら」 「手のひらに唾たらして、ぬるぬるを塗してしごけ」 仕方なく言われた通りにする。口腔に湧いた唾液を右手のひらで受け、それを伸ばして広げたのち、茶倉の竿に塗してにゅるにゅる捏ね回す。嫌悪感と不快感で吐きそうだ。 「ッ、ふ、く」 かすかな呻き声に顔を上げりゃ、股を開いた茶倉が小さく喘いでいた。気持ちいい……のだろうか。眉間に寄った皺と上気した頬がいやに色っぽく、嗜虐心が刺激された。 「なに見とんねん。殺すぞ」 三白眼で凄まれ、慌てて奉仕に戻る。 ペニスをいじられて呻く茶倉の痴態を目の当たりにし、ズボンの前がキツくなっていた。赤い亀頭を指でこすり、段の部分を締めて離し、敏感な裏筋をくすぐる。 俺より太くて長くてご立派で、ちょっとだけやけちまった。 「来い」 突然腕を掴まれた。ペニスはすっかり大きく育ち、いやらしくパク付く鈴口が汁を垂れ流す。 カウパーの濁流に塗れたペニスが、ソファーに仰向けた尻の窄まりにあてがわれる。 「たんま茶倉、そこっ生はまだ挿れたことなっ、ぁっ」 「悪霊にぶちこまれたんやろ」 「待ってホント心の準備が……絶対裂けるよ痛えに決まってる、他の除霊の仕方はねえのかよ」 往生際悪く暴れる俺を組み敷いた茶倉が、胸板の突起を強く抓る。 「ひゃんっ!?」 「生娘みたいにピンクでめんこい色しとる」 茶倉に摘ままれた瞬間ビリッときた。体がどうかしちまったみたいだ。 俺の反応に気を良くした茶倉が、固くしこった乳首をコリコリといじめ出す。根元を搾り立て、先端を軽くひっかき、じらしてじらしてじらしまくる。 「ユーレイにもさわらせたん、ここ」 「動けなかったんだからどうしようもねえだろ、ぁあっ、ンっふ、茶倉っや、揉む、な、やだ」 「また膨らんだ。完全にクリトリスやん」 死ぬほど恥ずかしくて嫌なのに気持ちよくて、もっとしてほしくてたまらない。気付けば涎をたらして喘ぎまくり、ぎしぎしソファーを軋ませていた。茶倉はとんでもない性悪だ。乳首責めに夢中になって前はほったらかし、こなれたケツにも入れてくれねえ。 「ちゃくっ、ンぅっ、もっやめ、はぁっ、乳首すごっ気持ちいっ、ィっちゃ、乳首でイッちゃうからっ、許してお願い」 わけもわからず縋り付き、涙目で懇願する俺を傲然と見下ろし、茶倉が右手の数珠を外す。 「この程度で昇天すな」 「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ぁあっ!?」 ビクンと体がはねた。茶倉が限界まで尖りきった乳首の上で、数珠を転がしたからだ。俺が仰け反り喘ぐごと、冷たく固い数珠の玉が勃ちまくった突起を揉み潰す。 「やぁっチャクラそれ無理っ、ぁあっ感じすぎてやばっ、数珠気持ちいっイっちゃ、乳首もっとコリコリしてえっ」 ねちっこい前戯を続けるうちに体温が伝染って数珠がぬるくなる。 「ッは、はぁ」 汗みずくでよがる最中、確かに見た。乳首や毛穴から漏れた黒い霧が、茶倉が手繰る数珠に吸い込まれていく。ギリギリまで感度を高めた乳首を数珠で刺激することで生じた快感は強すぎ、下着の内側でそそりたったペニスが我慢汁を垂れ流す。 「パンツに恥ずかしいシミできとるで。まさか漏らしたんか、さわっとらんのにド淫乱やん」 乳首責めに飽きた右手が数珠を巻き付けたまま下に移動、パンツの中へもぐりこむ。 「~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ」 固くなったペニスをプツリと数珠が圧し、コリコリと擦り立てる。 陰唇のようにパク付いて大量のカウパーを分泌する鈴口の上を、いやらしくテカりぬめる裏筋を、数珠を巻いた茶倉の手が自由自在に這い回り俺を追い上げてく。 「茶倉、ッ、それやめて、もたなっ、ぁあっ、感じすぎておかしっ、ぁっ、頭へんっ、で、ちんこコリコリされて気持ちいっ、ぁっ、あっ、ああっあ」 「数珠がぬるぬるで滑ってもた」 俺は見た、ペニスから噴き出た黒い霧が数珠に吸い上げられていくのを。本当に除霊なんだ。Hな事じゃねえなら恥ずかしくないよな。 朦朧とする頭で考えてた時、テーブルにのっかったスマホがいきなり震え出した。 ドS全開で数珠プレイをしていた茶倉が固まる。 「……お前のじゃねえの?」 スマホのバイブは止まらない。ブーブーと震え続けている。興ざめして指さす俺の上で、茶倉は完全に止まってしまった。 だんまりを続ける拝み屋の孫をよそに液晶を一瞥、表示された名前に目を見開く。 『ババア』 「お祖母さん?」 帰ってこない孫を心配して?ひょっとして門限とかあったんだろうか。直後に通信拒否した茶倉が、俺の脚を無理矢理こじ開ける。 「いくで」 切れたスマホをカーペットに投げ、ずるりとペニスを押し込む。 俺が出したのと茶倉が出したの、二人分のカウパーが潤滑剤代わりを果たした挿入は思いがけずあっけない。 「ふぁあっあ、ぁあっあ」 頭ん中が爆発して真っ白になる。脊髄から脳天へ、抽送に合わせて駆け抜ける刺激に翻弄され喘ぎまくる。 「ちゃく、らっ、これ怖いっ、ンなの初めてっ、ぁっ、からだへんっ、お前のすごっでかくて、ぁあっあ、やあっそこ変っ、奥突くとすごいのくるっ、ぞくぞく止まんなっ、ぁっあ」 「悪霊とどっちがええ?」 「お前っ、の、生ちんこ、もっとケツパンパンして、あはっすげっ」 俺にガツガツ突っ込む間も茶倉は手を止めず、首や胸や腹や股で数珠を転がして刺激を加える。それがくすぐったくて気持ちよくて全身が性感帯に作り替えられて、欲張りなケツがイチモツを食い締める。 「もっと奥まで除霊してっ、俺ん中に入ってるモヤモヤ追い出してっ!」 「ッ、ンなキツくしたらすぐ出てまうやろ」 俺の全身から噴き出した黒い霧が天井に渦を巻いて蟠り、茶倉の数珠に収束していく。腰を振りたくりながらふと見れば、右手に巻いた数珠は元の色に戻っていた。 ところが―…… ぐぎゃあぐぎゃあぐぎゃあ。 ブツンと回線が入り、鼓膜が割れる大音量でカラスの鳴き声が轟いた。

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