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第39話
部屋に入るとすぐ扉は閉められ、薄暗く間接照明だけの部屋にはビニールシートの敷かれたベッド、棚、そして黒のバスローブを着た背の高い男が立っていた。
顔は爬虫類系で細い目。年齢的には寧人よりは年下だがそこまで若くない。やや浅黒い肌、一護 くらいの背の高さ。
「こんにちは、古田さんと同じ会社の人なんだね」
やや甲高い声に外面とのギャップを感じるが寧人 はうなずく。なぜかもらったばかりの名刺を渡す。
「名刺っ?! 仕事できたのかな。へー、鳩森寧人。ヨシくんでいいかな?」
「よ、よしくん?! あ、その……よびかたはどうでもいいけどここは何を」
うろたえる寧人に男は笑った。
「知らずに来たの? 古田さんに教えてやってくれとか言われたけど……ここはメンズマッサージ店だよ」
「め、め、め、メンズマッサージ?!」
さらにうろたえる寧人。ドアの方に後退りをしているようだがドアは開かない。
「ご紹介遅れました。ここのナンバーワンスタッフのドラゴンです。僕も名刺あるんです」
「ど、ど、ど、ど、ど」
「ドラえも……じゃなくてドラゴンです、なんちゃって」
「まーでもよくドラちゃんて言われてるんですけどね」
「ドラちゃん……」
「はぁい」
ドラゴンは寧人にタオルやガウンの入ったカゴを渡す。
「お風呂場で体洗ってきてください。終わったら体拭いて紙パンツ、ガウンを着てくださいね。あとオプションで僕が全てお世話することもできますが」
「いや、結構です……僕だけでできますので」
「じゃあいってらっしゃい」
とドラゴンに手を振られて寧人はそそくさとドアのすぐ横にあるお風呂場に行く。が更衣室はないので手前のカーテンの中で着替えてお風呂場……といってもシャワーしかないのだが、シャンプーやボディーソープがあり、それで体を洗う。
「お世話って何されるんだろう……」
とオプション内容が気になりつつもシャワーを終えてカゴの中身から紺色の紙ショーツを履き、茶色のガウンを着た。
寧人は何も気無しにささっとここまで準備している自分に気付いて焦る。
「な、なんで僕はここまでやってるんだ?! 逃げることもできたし……」
恐る恐るカーテンから出ると……。
「ああああっ」
寧人は手で顔を覆った。さっきまでガウンを着ていたドラゴンが海水パンツのようなもの一枚で立っていたのだ。
筋肉のつき方もよく、無駄毛もない。ピチピチの海水パンツの面積も狭く、こんもりとしたものが山をなしている。
「どうぞこちらへ……」
「はぅうううう」
ガウンを着ているのに必死に体を隠す寧人。
「脱いでください、ヨシくん」
ドラゴンは細い目をジトッと甘く垂れ、寧人を見つめる。その目つきにドキドキが増してしまう。
嫌なはずなのにその目線で手元が緩み、ガウンに手をかけて寧人はゆっくりと脱いだ。
ドラゴンは紙パンツ姿になった寧人を見て笑う。
「な、何がおかしいですかっ?!」
「だって、紙パンツが前後ろ反対」
「ええっ、そ、そんなっ……」
と寧人は手で下半身を抑えるがドラゴンに開かれる。
「可愛い……」
寧人のあれは大きく反り勃っていた。紙パンツの下で。
「可愛くないですっ!」
「まずはうつ伏せになってください。背中のマッサージしますね」
寧人はベットの上にうつ伏せになり、身を委ねた。
「ほら、後ろ前反対だからパンツがお尻に食い込んでるよ」
「あああああああ」
「でもこの方がやりやすいから……じゃあオイルをつけていきますね」
「はううううううっ」
背中に温かい液体をかけられる。いい具合の温度のとろっとした液体。それが少しずつ背中に広げられて右腕から右手に。左腕から左手に。背中もめいいっぱいマッサージされる。
それだけでも寧人は満足……だが、よく考えてみれば一護にもマッサージしてもらう。それに似ていると。
しかし背中をマッサージしてもらうときにドラゴンは寧人のお尻に座っているわけで。
お尻のあたりにドラゴンのアレが当たる。もちろん海パン履いているが、動くたびに大きくなっていくのがわかる。
「すごくガチガチ……ヨシくん……」
「気持ちいいですぅ。ほぐされて……はひぃ」
そして脚のマッサージ。ドラゴンは寧人から降りて足の裏からふくらはぎ、もも、お尻に流していく。だんだんお尻のキワのキワまで触られて鼠蹊部に流される。
鼠蹊部(そけいぶ)に触られるだけでもビクビクっと寧人は動いてしまう。
「足もゴリゴリのカチカチ。ほぐして毒素を鼠蹊部に流して排泄するのです」
と言いながらも何で排泄されるのか、寧人のあれはうつ伏せで潰されながらもムクムクと大きくなるばかりだ。これは流石に見せられない。
「さて、次は仰向けですよ」
「仰向けーっ?!」
よりによって今度は仰向けになる羽目に!
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