「あんっ、んっ……」 「ふぅ、ふぅっ」 「そう、少しずつ、そぉ……そお……そぉおおおおおおおおっ」 「一護(いちご)っ、入ったぞ……」 「うんっ、もっともっと！」 「ああああっ」 「あん、あんっ！」 　寧人(よしと)が腰を振るたびに下にいる一護が喘ぐ。 「やばいっ、一護っ！」 「寧人ぉっ！　もっとぉっ！」 「いいのか？　痛くないのか」 「変に止めると痛いからそのままっ、そぉ、そぉおおおっ」 「一護っ、もっといくぞ」 「うん、もっともっともっと！」 「やばい、いくっ」 「や、やっ！」 「いっちゃう、まだいきたくなーい」 「早い、早い……」 「いっちゃった……」 「寧人ぉ」 「はふぅ……」 　寧人は一護を抱きしめる。初めて一護に入ったこと、とても夢のようだと。 　一護も寧人を抱きしめる。初めて2人が結ばれた。かなりすんなりと。 「一護……」 「ん？」 「もっかい……」 　一護は頷いた。少し心の中で何か心配を感じながらも。 　その後の寧人は仕事でも絶好調。成績もよく社長賞も取った。 　そして一護の心配も的中する。 「寧人ぉおおおっ」 「リンっ！！！」 「もっとぉおおお」 「車の中だと密着していいねっ……んんんっ」 「やぁあああんっ！」 　古田とも結ばれ、2人の関係もさらに濃厚になる。ますます古田も寧人が好きになり2人のコンビ感はまるで夫婦のよう、と社内でも、有名となった。 　あとは……。 「ドラちゃん、どうだ？」 「はぅん、ヨシくぅん」 　トロトロに甘くなったドラゴンの声。その横には他のスタッフの若い男の子もぐったり横たわっている。 　オプションで2人がかりでマッサージにしてもらったのだ。 　そして店から出る前に仮面を被った頼知(らいち)が出てきた。頼知の正体はバレてしまった以上、寧人は流石に一護と血の繋がった彼は抱けない、とは思っていたが……。 「ねぇ、いつになったら僕を抱いてくれるのさ……」 「さぁ、また今度ね」 「ひっどおおおおい！！！」 　どうやら好みもあるようだ。 　しかし他にも寧人は女性社員にも手を出し、しかも複数人。 　女の体も覚えてしまった寧人だが、それでも古田やマッサージ店通いも続ける。 　もちろん一護を愛することも忘れない。 「最高だ、お前が一番最高だ……」 　という寧人だが、一護は少し顔は寂しげ。それは見せないように抱かれた。 　そしてこの生活も少し綻べば一気に崩れていく。 　女子社員同士が寧人と関係があることがわかると言い合い、取り合い、殴り合いになる。 　そう、寧人は女子社員とも関係を持ってしまったのだ。 　そこに古田が仲裁に入るが古田も寧人との関係が明るみになるとさらに問題は大きくなった。寧人の目の前で繰り広げられた修羅場。 「ちょ、ちょっとみんな……その……」 　と寧人が声をかけると全員が彼を睨む。 「鳩森ぃいいいいいっ」 　古田の目が久しぶりに釣り上がった。 「うわあああああああっ！」 　寧人は命からがら逃げた。 　なんとか逃げ切った寧人はバタフライスカイに立ち寄るが、たくさんのスタッフたちでも寧人の取り合いになる。 「ねぇ、今度は僕でしょ？」 「違う、僕だってこないだ……」 「いや、わたしよ！」 そしてドラゴンがやってきた。 「ヨシ君……最近僕を抱いてくれないのはなんで？　指名しても他の子の組ませて……」 「ど、ドラちゃん……そ、それはね……」 「ねぇ、お願い……」 「いや、待てってば！　その……」 　実は寧人はドラゴンの嫉妬深さに手を妬いていたのだ。そこに頼知がやってくる。取り合いをしているのを嗅ぎつけて。 「ら、頼知くん！　助けてくれっ」 「あらー、モテモテねぇ。もう全員指名して順番にやったら？　その場合オプション代を1人追加ごとにいただきますよ、ふふふ」 　頼知は寧人が自分のことをかまってくれないからと面白がって放置。 「そんなオプション……」 　と言った途端にスタッフたちが自分がオプション扱いかとショックを受けすごく冷めた目で寧人を見る。 「うわあああああああっ！」 　もちろん一護にもその噂が飛び込んできた。数日前から。情報源は頼知からも。 「一護お兄ちゃん、寧人くんやばいわよぉっ。最近あの子調子乗りまくり。だからお兄ちゃんと関係持った人はダメになっちゃうのよ」 　流石に自分と関係があるとわかると会社の経営もまずいと思いもみ消しに入った。 「寧人、ごめんなさい……」 ◆◆◆ 　命からがら逃げて家に戻る寧人。もう家には一護もいるはずである。 「ただいまっ！　一護ぉおおお！」 　と駆けて部屋に入ると…… 「なんじゃこりゃ……」 　部屋の中はもぬけの殻であった。 「一護？！　どこいった！」 　自分の部屋はかろうじて荷物は残っていたが一護の荷物や一護のお金から出したものはなくなっていた。 　電話をかけようとスマホを見ると無数のメールや着信。 　今まで遊んできた相手からだった。その中から一護のメールを探り出して開いた。 「ごめんね、寧人」 　一護は絶望とパニックで床に倒れた。