53 / 69

第53話

 スタートテープを切り、なぜかいきなり現れた一護(いちご)との、サイクリング旅は始まった寧人(よしと)。 「じゃあいこう」 「いや、この状況が僕わからないんだけど」 「んー、まずは1軒目のお店に行こう。そこで話をするからついて来て!」  一護の長い足でスタッと地面を蹴り上げた瞬間、寧人が 「いや、まず僕のアパートで荷物を……」  と心配しだす。 「あ、それからもいいかもね、絵的に」 「……一護は全てが絵になるけどな」  寧人が一護を連れてアパートに向かった。2人が暮らしていた時よりももちろんボロいし、初めて2人で会った時の頃に近い形である。  一護はドアを確かめる。 「いや、壊れてないから……流石に」 「そうよねー。でもなんか懐かしい感じ」  とキョロキョロ部屋の中をカメラを回しながら見渡す一護。 「意外と綺麗にしてるんじゃん……」 「ああ、誰かさんのせいで少しは前より綺麗好きになったんだよ」  するとさっきまでカメラを録画モードにしていた一護は一時停止にして寧人に壁ドンをした。 「あんた、自分のしたことはわかってるの? あれからいろいろ大変だったのよ! まぁ僕が野放しにしたのもいけなかったけど」 「ご、ご、ごめんなさぁいいい」 「よかった、ある程度手伝わせてたからできるようになったようだけどまだまだね」  と、寧人はふと一護のサイクリングスーツのピチッとしたズボンにどきっとしてしまった。久しぶりのこのドキドキ。  寧人は足に力が入らなくなり、くたん、と座り落ちた。 「やだ、寧人。そのズボンピチピチだったかしら……」 「ほえっ……ああっ!」  寧人は下半身のズボンに自分のアレがくっきりとシルエットが浮かび上がっていた。久しぶりにこんなに大きくなるのに驚いてしまった。 「ねぇ、この淫乱な棒はこっちではどうしてたの?」  一護は寧人の股をぐぐっと広げた。力強く動かないように。閉じようとしても閉じれず恥ずかしいポーズを見せている。 「……あ、あうううっ。そ、そのぉー全く手付かずで……こんなに元気になるのは久しぶりで」 「やだぁっ。たくさん使って大きくなった寧人の、こっちでもたくさん出し入れしてるかと思ったんだけどなぁー」 「そ、それはないっ……もう元気がなくて」  すると一護は寧人をジトッと見つめた。そして唇をベロでひとなめした。 「お世辞でもいいから一護をおかずにオナニーしてますって言って欲しかった」  と艶かしくいうそのセリフと共に又は深く広げられた瞬間に寧人は情けない声で 「はうううっ」  と声を出したと同時にパンツの中に精液を放出してしまったのだ。そしてじんわりズボンにも染み出す。 「ふふ、言葉攻めだけでイッちゃうなんて流石っ……」  寧人はハヒィっと変な声を出して久しぶりに昇天してしまった。 「はぁ、これじゃ昼過ぎからのスタートね。こりゃ撮影できない……」  

ともだちにシェアしよう!