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第13話

「なぁ、臣は生徒会入るの?」 「うん、そのつもりだよ」 今日のイベントを全て終え、放課後の喧騒に包まれた廊下を真咲君と共に歩きながら、明日からメンバーを募るらしい生徒会について話していた。 「真咲君はどうするの?」 「俺は何かめんどくさそうだし、パス。そんな柄でもねぇし」 「そっか、でも入れるか不安なんだよね」 「臣は真面目だし、それを向こうも分かれば入れてもらえそうな気もするけどな」 「ん〜、だといいけど」 言いながら横目にまじまじとこちらを見つめている真咲君に、僕は咄嗟(とっさ)に顔を背けた。 至近距離で顔を見られるのはまだ少し苦手で、つい反射的に体が動いてしまう。 「ま、頑張れよ」 「うん、ありがとう」 そんなことを話していると玄関にたどり着き、迎えが来るまでの間、しばらく門の前で待つことにした。 「迎え、どれくらいで来るって?」 「うーん…あともう少しだって」 LIMEに送られていたメッセージを確認しながら答え、了解した旨をスタンプも添えて送り返した。 「そっか〜、迎えに来るのってどんな奴?」 「ん〜…僕と同じくらいの身長で、可愛い人だよ」 ------------------ 「ごめん、お待たせ!」 数分後。片手を上げ、桃色のよく目立つ髪を跳ねさせながらこちらへ小走りで向かってくる入間君が見えた。 「そこまで待ってないですよ。あ、入間君。この人友達の…」 「藤宮 真咲です。こいつの迎えですよね?」 「うん、そうそう!俺は入間 千里。一緒に待たせちゃったみたいでごめんね」 「いえ、俺が勝手に居るだけなんで。じゃあ俺帰るわ、またな臣」 「ありがとう、またね」 そうして真咲君は、入間君が来た方向とは反対へ向かって去って行った。 「おみみん、早速お友達出来たんだね。いい人そうで安心した」 「うん、向こうから声かけてくれて」 「そうなんだぁ。あ!明日は今日みたいに一緒に帰れないと思うんだけど、平気?」 「大丈夫ですよ。いつまでもお世話にはなれませんから」 僕達は肩を並べて、雑談に花を咲かせながら新しい自宅へと向かった。

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