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第12話
担任の話によると対面式やオリエンテーションの前に、クラスごとに集合写真を撮るらしく、順番まで教室内で自由時間を過ごす。
数が少ないクラスから順に撮影を行うため、僕のクラスであるC組は3番目だ。
「なぁ臣の家ってどこにあんの?」
「んー、ここから20分くらいのとこだよ」
そして僕は今、隣の席の真咲君とお互いの話をしている。
「うわ、近くていいな」
まだあそこの家からここまでの距離が把握できていないために、僕は憶測で答えると真咲君は驚いた様子だった。
「え、真咲君は?」
「俺最寄り駅から6駅離れたとこ」
「うわー…お疲れ様」
「まじで朝起きんのつらいわ」
言いながら机に頬杖をつき、こちらを見て話す真咲君の目は確かに眠そうに見えた。
「つかさ、終わったら一緒に帰んね?」
「そうしたいけど…ごめんね、お迎えが来るから…」
「まじ?迎えとかうらやましい」
「うん、でもこっち来るまで時間かかるみたいで」
「そうなのか、じゃあそいつ来るまで付き合う」
「いいの?ありがと」
そう微笑んで真咲君にお礼を述べたところ、何故か彼は僕から目を背けた。
「おう、今日は帰るだけだしな」
僕が不思議そうに見ていたからか、真咲君は何事もなかった様にまたこちらを見て笑ってくれる。
するとそのタイミングで僕たちの番が回ってきたらしく、教室に他クラスの生徒がそれを伝えにきた。
その後担任の指示により、僕たちは続々と教室を出て移動を始めた。
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