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第2話
「あ、もしもし叔父さん?」
僕は人気の無い場所を探して、落ち着いた所で電話を掛けた。
『あぁ、臣か。こうして声を聞くのは久し振りだな』
「そうだね、暫く会ってもいなかったから。ところで話って、何?」
『あぁ…実は姉さんの事でな。お前には色々苦労をさせているね、すまない』
やはり想像していた通り、母さんの事についてだった。
「ううん、僕なら大丈夫。さっき入学式も終わったんだ」
『…そうか、入学式…。そこも無理矢理入れられたような場所だろ?叔父さんが何とかしてやるから、無理にそこじゃなくても…』
「それも大丈夫だよ。上手くやって行くから」
妥協して入学したような学校。蓮さんの存在を知ってから、不思議と悪くないと思い始めた。
『…本当にすまないな。あぁ、そうだ。私の管理している家で暮らすのはどうだ?』
「え、叔父さんの?」
それは初耳だった。元々不動産関係の仕事をしていたという事だけは知っていたけど。
『あぁ、言ってなかったか。シェアハウスの管理人を2年前くらいに始めてな、姉さんの事は何とかするし。どうだ?』
とても魅力的な誘いだと思った。
今日は逃げるように家を出て来たから、正直このまま帰るのも気が進まない。
また、見知らぬ男が居るような気もする。
色々考えた結果、迷う要素はただ1つを除いて無いに等しかった。
「でもお金は…」
『それは心配しなくて良い。私からの入学祝いとでも思ってくれ。それに先住者には、君の事情を話せば納得してくれるだろう』
「うん、分かった。ありがとう、叔父さん」
僕はその優しい言葉に安心した。ようやくあの家から離れる事が出来る。
その後早い方が良いだろうと、叔父さんが親切にも迎えに来るという事で通話を終了した。
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