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キョウ第3話
両親が離婚した後、親父も流石に小学生でまだ低学年のオレを夜一人にするのは危険だと思ったようで、ライブがある日にはオレも連れて出かけた。その方が危ない気もするのだが。
まあ、親父の友人の強面なバンドマン達がかわるがわる面倒をみてくれたし、ある意味最強に安全だったのかも知れない。
商業ベースのでかいハコなら子連れは無理なんだろうが、親父がよく出演するライブハウスやクラブは、知り合いが経営する小さなハコだったので、オレが楽屋に居ても誰も咎めなかったみたいだ。
そこには、あらゆるジャンルの人間が生息しており、ゲイも多かった。
オレはそこで成長した。
普通の子どもなら遭遇しないはずの大人にたくさん出会ったおかげで、オレの掌握術はますます精度を増して行く。一般常識しか持ち得ない大人なら、ほとんど思いのままにあしらえるようになった。
背もぐんぐんと伸び、精通し、アスへの気持ちを自覚してからは、親父の目を盗んでゲイの人達に色々話を聞きまくった。まぁ、バレバレだった気もするが。
やり方は特に念入りに教えてもらった。オネエな人には、面倒見がいい人が多い。単に面白がっていただけかも知れないが、それでもありがたかった。
初体験の相手もそんなオネエさまの一人だ。
オレが中三になりアスも中学校に入学したと同時に、脱童貞をさせてくれた彼女(体は男だったので彼?)には感謝しかない。その後もありとあらゆるテクニックを教えてもらったしな。
処女のアスに負担をかけないよう、あくまで本命のためのほぐす練習、という事実を理解した上で、それでもオレに抱かれたいという処女男子を抱いたりもした。
が、絶対に一度しか抱かなかったし、妙な誤解をしないようきっちりとマインドコントロールをした。
まぁ、中学生のガキを丸め込むなんてお手の物だったよ。元々あいつらはオレを崇拝していたし。
取り巻き達が、オレが愛する唯一、アスを傷つけるような行動をとらないようには、今も最大限気を使って配慮している。
その頃のオレは、自分が完全にゲイなのか疑問に思っていたから女も抱いたが、アス以外なら男でも女でも同じだった。
物理的な刺激には反応して勃つんだが、アスを妄想しないと射精出来ない。
ああ、オレは別にゲイというわけじゃなく、ただただアスが好きなんだ。そう理解して無性に嬉しかったな。
ゲイに偏見は全くないが、アスだけがオレの特別なんだと分かったから。
早くアスを抱きたかった。
けれどもオレは、アスの体がオレ自身を受け入れても壊れないよう成長するまでは、絶対に手を出さないと決めていた。目安は中学生になって身長が百六十センチを超えてから。
だが、アスは小柄なままでなかなか成長しなかった。昔のように横に居て手を出さないのは無理だと悟っていたから、ずっと無視するしかなかったんだ。
勝手なヤツだと自分でも思う。
物理的な無視だけでなく、アスの気持ちまで完全に無視している自分に嫌気がさす。けど、本当にすぐにでも押し倒してしまいそうになるんだよ。小学生のようなアスを。あんな小さいケツにぶち込んでいいわけがないじゃないか。
完璧王子だなんてとんでもない。
とんだ欠陥人間、いや、獣以下だな。
その状況はアスが高校生になるまで続いた。流石に中学生の間に背も伸びるだろうと思っていたのに。
もちろんこの高校を選んだのは、朝が弱いアスがここに来ると確信していたから・・・
・・・あぁ、長かったな。けど・・
やっとアスを・・・この手に抱けた。
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