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アス第20話 エピローグ
こうして俺はキョウと付き合う事になった。
ジュンさんには、
「本当に大丈夫かよ?」って心配された。
ジュンさんのライブを見て一曲目からナチュラルトリップし、その後、今までの虚勢やプライドが剥がれ落ちて自分の気持ちに気付いたって話をしたら、
「そんなに正確におれの曲を受け止めてくれたのか!すげぇなアスラちゃん!いや、嬉しいわ~
けど、おれが背中を押したって事になんのか・・・キョウが話したがらなかったのはそれでかよ。」
と、喜びながらも頭を抱えるという、珍しい状態になっていた。
ジュンさんにあの日のライブの一曲目、「カタルシス」と言う曲のタイトルと意味、そこに込められた思いを教えてもらった瞬間、あの日の俺がどうしてああなったのかがストンと腑に落ちた。
俺はあの日、ジュンさんの曲「カタルシス」を聞いて、自分の中に溜まりに溜まったキョウへの気持ち、「怒り」と「好き」を自覚し、解放。それに向き合う覚悟をした。
そして号泣により「怒り」が浄化され、「好き」を肯定。からの「抱いて」発言・・・
あらためて言うとか恥ずか死ねるわっ!
・・・まぁ、そう言う事だったみたいだな。
レンさんにも連絡をとって報告した。
「やっぱりね。絶対に逃げ切れないと思ってたけど。アスラちゃんの方から覚悟してそうなったんなら良かった。」
って苦笑い。
ジュンさんの曲での件では、
「アスラちゃんの感受性が強いってのもあるんだろうけど、あの親子は自分が欲しいモノは何が何でも手に入れるからね。しかも彼らが諦めなければほぼ堕ちる。」
「キョウくんはジュンさんのライブに何らかのきっかけを求めてアスラちゃんを連れていったんだろうし、ジュンさんも多少はキョウくんの応援をするつもりで"カタルシス"を一曲目に持って来たんじゃないかなぁ?」
と、微妙に意味が分かるような分からないような事を言っていた。
レンさんと話すのは境遇が似ているからかめちゃくちゃ楽しいし、キョウの扱い方の勉強にもなる。
それだけジュンさんとキョウは根本的な部分が似てるんだよ。
それに、俺とレンさんも性格的にちょっと似てる所がある気がしてる。
なので最近の俺は、レンさんが普段働いているカフェによくランチやお茶をしに行っている。ランチもケーキもお茶も美味いし。
俺の心の拠り所、最早なくてはならない日常だ。
本当は一人で行ってレンさんといっぱい喋りたいんだけど、当たり前のようにキョウも付いて来るのは言うまでもない。
学校では、公認のカップル扱い。
男子校ならまだしも、男女共学の公立校で男同士のカップルなんて、普通は非難され攻撃対象になるだろう。
が、そこはキョウ様親衛隊が暗躍したらしい。
少しでも非難的な事を言ったり、揶揄ったりした人物には、素早く制裁を下す。
そのおかげで、誰からも直接の非難はされていない。
異世界ファンタジーの王家が使う暗部かよっ?!ってくらいの働きだわ、キョウ様親衛隊。
優秀すぎる。素直に感謝しよう。
まぁ、直接こっちに来てくれても、俺もキョウも相手してやれるんだが。
キョウにかかれば逆に洗脳されて信者になる事間違いなしだしな。
まぁ、そんな感じで学校も平穏。
母さんもあのまま祝福モード。
今から思えば、キョウの気持ちを理解していたから、俺にBLを読ませたのかも知れない・・・って、いや、違うな。
あれは単に推し本を一番身近に居る俺と共有したかっただけだ。
そんな人だよ母さんは。
でも恵まれてるな、って思う。
息子に男の恋人なんて普通は反対されるし、下手したら勘当されるよな。
正直、母さんが俺の母さんで良かった!
本当にありがとうマイ マザー!!
多分、父さんが生きていたらこうも簡単に許されたりしてないと思うんだ。
普通に常識的な人だったみたいだし。
ごめんね、父さん。
けど、俺はキョウが好きなんだ。
だから一緒に生きて行く。
これからもずっと・・・
二人で愛を育てるんだ。
小っ恥ずかしいから
滅多に口にはしないけれど
本当に
本当に
心の底から
俺は暁弥を愛している。
「腹黒王子ちゃんのカタルシス」 完
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ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
ごあいさつ代わりに、本編完結まで一気に更新させていただきました。
初めて書いたBLなので、色々と拙い部分やおかしな展開があったかもしれません。どうぞご容赦くださいませ。
さて、本編は完結いたしましたが、この後、同じ分量近い番外編がございます。一気にではありませんが、この後も更新させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
ルコ
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