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第4話

「ごめんね。あの……言い方、きつかったかも。」 「ううん。気にしないで。俺ね、蒼太のことになるとなんでもしてあげたくなっちゃうんだ。」 「嬉しいんだけど、行き過ぎると困っちゃう。だからえっと……あんまりこう……過保護気味にならないで欲しいな。」 「うん。わかった。」 少し気まずくなって、それを打破しようとヒロ君の手を取りキュッと繋ぐ。 目が合ってじっと見たあと、小さく笑ってみせた。 「ご飯、どこ行く?」 「蒼太は何食べたい?」 「んーと……中華食べたいな」 「じゃあそうしよう」 ヒロ君もにっこり笑って、僕の手をふんわり握る。 そのまま彼おすすめの中華屋さんに行き、好きなエビチリを食べて満腹になった。 ■ その後、ヒロ君の家に帰りそれぞれお風呂に入る。 彼に借りた服を着てベッドにうつ伏せで寝転んでスマートフォンをいじっていると、お風呂から上がったヒロ君が重なってきた。 「蒼太ぁ」 「なぁに」 スマートフォンを置いて顔だけ振り返る。 するとすかさずキスをされた。 服の中に手が入ってきて、驚いてその手を押える。 「え、な、何、今日はしない!」 「ええ……?」 「今日はもう寝るもん。明日も仕事だし……」 「だってぇ」 「可愛くないよ。もう寝よう。ほら、電気消してこっち来て。」 隣に寝転んでもらい、ヒロ君の頭を抱える様に抱きしめると大人しくなった。 「やばいこれ……めちゃくちゃ癒される……」 「眠ろうね」 「はい……」 よしよしと頭を撫でていると、スヤスヤ眠り出した。 子供みたいだ。 「おやすみ」 ちゅっと額にキスをして、目を閉じた。

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