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第27話
「あの……ヒロ君」
「ん?なに?」
壁に背をつけて息を整えてる彼に近づき、太腿を撫でる。そうすれば頭を撫でてくれた彼に、胸がキュンとして改めて好きを感じる。
「僕も、ヒロ君の、舐めていい……?」
「え」
「やだ……?」
「嫌じゃ、ない、けど……」
その返事を聞いて、ちゅっと口をつけてみる。
思っていたより嫌じゃない。
むしろなんだか……気持ちいいかも。
「ちゅ、ん……ぁ、はぁ」
「す、ご」
頭を撫でられ、口の周りが汚れていくのも構わず、夢中になって咥えて舐めていると、ヒロ君が僕の髪を掴んで顔をあげさせた。
「は……フェラするの、そんなに気持ちよかった?」
「ぁ……」
「ぐちゃぐちゃになってるよ」
そっと抱き起こされ、強く抱きしめられる。
ポワポワと頭の中にモヤがかかったかのように思考が定まらない。
「んー……好き」
「なにそれ可愛い」
「ヒロ君にも好きって、言ってほしい」
「好きだよ。大好き。愛してる」
幸せな気分でうっとりしちゃう。
彼の背中に手を回してピタッとくっつく。
このまま眠りたいかも……と目を閉じようとした時、ヒロ君が「あ」と短く声を出した。
「お昼は外で食べる?」
「……今何時?」
「今は十時半」
この後お風呂に入って、準備を終えたらちょうど昼前くらい。
それなら外でランチをして、そのまま出掛けるのがいいかも。
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