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第28話
そう伝えてからすぐ、お風呂に入りに行った。
汚れたシーツは全自動洗濯機に放り込んで乾燥までお願いする。
お風呂から上がるとヒロ君が着替えを準備して、それから髪を丁寧に乾かしてくれた。自分の髪は適当にするのに。
「何食べに行こっか。」
ヒロ君にそう聞かれて頭の中に浮かんだのは濃い味をしたラーメン。
「僕ラーメンが食べたい」
「ラーメン?」
「うん。味が濃いやつ。……あ、ヒロ君は?何が食べたい?」
「想像したら俺もラーメン食べたくなった……。味の濃いやつね。調べよ」
スマホを見る彼。
一緒に小さな画面を覗き込むと、美味しそうな写真が山ほど出てきて「美味しそう」と呟いた。
「蒼太の体調は問題なさそう?」
「うん。ちょっと支えてもらう時があるかもしれないけど……」
「それはもちろん。じゃあ……そろそろ出る?」
大きく頷いて、ヨッコイショと言いながら立ち上がる。すかさずヒロ君に腰を支えられて、支度を整え家を出た。
ラーメン屋さんまでの道すがら、お昼を食べた後は何をするかを考える。
「もし今からでも予約できそうだったら、不動産屋に行ってちょっと家探してみない?」
「ヒロ君ってば、同棲するって決めたら行動早いね」
「だって俺、早く蒼太と一緒に暮らしたいもん」
『もん』じゃないよ。可愛いな。
嬉しさを隠すように彼の肩をパシッと叩く。
結局、ラーメンを食べたあとは不動産屋に行くことになった。
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