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第30話
並んだ甲斐あって、食べたラーメンはとっても美味しかった。
また来ようねと約束しながら街中を歩く。
「時間までプラプラする?それか体がもし辛いならどこかお店入ってゆっくりがいい?」
立ち止まって道の隅っこに寄り、これから不動産屋さんに行くまでの間何をして過ごすかを考える。
「あー……いや、今日はそこまで辛くないし大丈夫だよ。プラプラする?」
「そうだなぁ。じゃあ服でも見に行く?」
「あ、いいな。服欲しい」
近くの服屋さんに入って、アレが可愛いとかコレ似合いそうとか、楽しみながら服を見て、結局それぞれ一着ずつ購入し、お店を出た頃には丁度いい時間になっていた。
「そろそろ向かおっか」
「うん」
ヒロ君がスタスタと歩き案内してくれる。
少しして着いたお店で、スタッフさんに名前を伝えると、にこやかに席まで案内してくれた。
担当の人が来るまで二人で渡されたアンケートを記入する。
「急だったのに本当に優しい雰囲気だね。ありがたいね」
「うん。ここ空いててよかったね」
そこで待っていると「お待たせしてすみません」と同年代くらいの女性がやってきた。
「いえこちらこそ急に……」と返事をしようと口を開けるより先に、ヒロ君が「え……あれ、ミナミ?」と思わずという様子で言葉を落とした。
「え?……え、え、嘘!洋哉!?」
「わ、ミナミじゃん。久しぶり」
嬉しそうな二人の姿に、学生時代の同級生かな?と黙って見ていた。
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