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第34話

二人で作った唐揚げは美味しかった。 結構な量があった筈なのに、あっという間に無くなって。 ほとんどはヒロ君のお腹の中へ。 満腹になってゴロンと寝転がったヒロ君は疲れたのか、フワフワ欠伸をして今にも寝そうになっている。 ささっとお皿を洗ってお風呂を沸かそうとして、チラッとリビングを見るとどうやら眠ってしまったのか目を閉じてスースーと寝息を立てていた。 「……写真撮っとこ」 普段とは違い眠っている顔は幼く見えて可愛い。 何枚か記念に写真を撮り、満足してからお風呂を洗いに行った。 少ししてリビングに戻り、変わらず眠っているヒロ君にそっとブランケットを掛ける。 モゾモゾ動いた彼は穏やかな寝顔をしている。 「可愛い……」 ジーッと見ていたけれど、気が付けば背中を屈めてちゅっとキスをしていた。 自分でしたことなのに驚いて照れてしまって、両手で顔を覆い隠した。 「はぁ……」 深く息を吐いてまた彼の顔を盗み見る。 整った綺麗な顔にホッと安心感を与える声。 冷たそうに見えて実はとても優しい人。 きっと今までに何人もの人が彼を好きになったんだろうな。 「……ヒロ君」 人差し指でヒロ君の頬を突く。 一人でそんなことを考えていたら少し寂しくなってきた。 「ねえヒロ君、寝ちゃうの?」 「……んー……」 眉間に皺を寄せる彼の隣に寝転んで抱きついた。 ヒロ君の肩に顔をぐいっと乗せて、片足を太腿に引っ掛けた。

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