「その話を聞いて欲しかったんだ……？」 「うん。ヒロ君を信じてるつもりだけど、こんなにモヤモヤするから、それって結局疑ってるんだろうなって、嫌になっちゃって。誰かに話したかった」 「……それ、俺じゃなくて橋本に直接言うべきじゃない？」 「あ、正しいこと言わないでよ。……でもヒロ君に言うってことは、本人に疑ってますって言うのと同じでしょ。ヒロ君と喧嘩をしたい訳じゃないのに喧嘩になりそう。」 グサッとお肉にフォークを刺す。 この間だって喧嘩したし……。 「でも本人に言わなきゃ解決しないよ。それに喧嘩はしてもいいじゃん。仲直りすれば問題無い。」 「……喧嘩して捨てられたらどうしよう」 「橋本がそんなことするわけないよ。あいつ俺に言ってたよ、一途だって。……よし、蒼太お酒飲んで。何が好き？今日は俺が奢るから。」 「え、いいよ。僕が誘ったんだし。」 お酒を勧めてくる真樹に流されるようにお酒を頼む。 食べながら飲んで、少しすると視界がふわふわしてきた。 「ん、やばい、酔ったかも」 笑って真樹に言うと、真樹は「一人で帰れないね」と微笑む。 ご飯を食べ終えて立ち上がると足元がふらついて、咄嗟に支えてくれた真樹に寄りかかった。