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第46話

「堂山とご飯、楽しかった?」 「うん。でも真樹に迷惑かけちゃった。」 帰り道、二人並んで歩く。 そういえば、さっきまで僕のいる位置には宇垣さんがいたんだよな。 思い出して立ち止まり、ヒロ君が「蒼太?」と振り返る。 『いいよ』って言ったのは自分。 『大丈夫』と言ったのも自分。 俯いてお酒のせいで上手く回らない頭を必死に動かして顔を上げた。 「……ヒロ君ごめん。」 「え、何?」 「宇垣さんとご飯に行くのも、連絡取るのも、『いいよ』って言ったけど、やっぱり嫌だ。」 そう伝えると、ヒロ君は黙ってジッと僕を見る。 「宇垣さんとはなんともないって言ってたから、ただの友達だって思ってたけど、嫌だ。」 「蒼太」 「今日、会社の傍で腕組んで歩いてるのも見ちゃった。周りの人も宇垣さんが彼女なのかなって言ってた。友達でも、腕組んだり……そういうの嫌だ。」 こんなこと言って嫌われないかな。 恐る恐るヒロ君の手を握る。 「ごめん、そうだよね。」 するとヒロ君はそう言って僕の手を握り返した。 「俺も、本当にいいのかなって思いながら美波とご飯行った。久しぶりに会えたのは確かに嬉しかったし、『いいよ』って言ってくれたから。でも蒼太の様子が変なのには気付いてたし、蒼太の本音にも少し……気付いてたんだと思う。」 唇をグッと噛んで彼を見上げる。

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