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第47話
「腕を組ませたのは……ごめん。言い訳になるけど、中学も高校の時もそういう距離感だったから気づけなかった。ただ、もうこの距離感はおかしいなって思って、気が付いてからは直ぐに離してもらったよ。恋人いるからそういうのはもう無しって話もした。」
「……そういう距離感って何」
「あー、なんて言えばいいか……男友達と同じ枠……?」
「綺麗な人なのに?」
「綺麗だから好きになるわけじゃないだろ?」
無意識に入っていた肩の力を抜いて、クイッと繋いでいる手を引く。
一歩僕に近づいた彼はもう一度「ごめん」と言った。
「宇垣さんのこと、一度も彼女にしたいって思ったこと無いの?」
「無いよ」
「……例えば、彼女がオメガでも?」
「その例えはよく分からないけど……きっとそれでも。」
その答えでモヤッとしていた胸が落ち着いて、ふぅと息を吐きヒロ君にトンともたれ掛かる。
「僕も、ごめん。嫉妬深くて嫌になった……?」
「ならないよ」
「疑われて、嫌だったでしょ。ごめんね」
「俺の方こそ、嫌な気持ちにさせた。」
背中を撫でられる。
そしてそのまま彼に抱きつこうとして、ここがまだ外だったことを思い出す。
「ヒロ君、帰ろう」
「あ、ホントだ」
キョロキョロ辺りを見渡して誰もいなかったことに安心し、ヒロ君と手を繋ぎながら僕の家に帰った。
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