56 / 143

第56話

■ 晩御飯が完成してテーブルに並べる。 ヒロ君は子供のように目をキラキラさせて、食べていい?と聞いてきた後、慌ててスマホを取りだし写真を撮り始める。 「え、ちょっと、写真撮るの?そんなに綺麗じゃないのに」 「綺麗だろ。俺はハンバーグ作れないし、こうやって彩り良く野菜とか盛り付けるのも苦手。だから凄いなって思うし……。めちゃくちゃ美味しそう。食べていい?」 「あ、うん。どうぞ」 「いただきます!」 勢いよく食べる姿が可愛い。 肘を着いてぼんやり彼を見ていると、ふと目が合ってふんわりと微笑まれた。 「わぁ……」 あまりの整った顔に驚いて、その微笑みにはもはや感謝したくなる。 そう思ったのと同時、ツキンと項と下腹部に痛痒い感覚が走った。 咄嗟に項と下腹部を撫でる。 「どうかした?」 「ううん」 不思議な感覚に戸惑いながら、お箸を持った。 じーっと見つめてくるヒロ君に気付いていないふりをして。

ともだちにシェアしよう!