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第60話

■ たくさんのキスと愛撫でトロトロに蕩けてしまった。 彼の指が口に突っ込まれても何も考えずにそれを舐めて、指先が上顎を撫でる感覚だけで甘く絶頂してしまうくらいに。 指が抜けて、濡れたそれが後孔を這う。 「あ……っ!」 「すご、めちゃくちゃ濡れてる」 「っ、ぅ、ぁ、い、いわないで……っ」 グチュグチュ、音が聞こえて恥ずかしい。 腕で顔を隠すと「顔見せて」と言って片手で両手を押さえられる。 「ぁっ、恥ずかしい……!」 「だめ、足閉じないで」 「うぅ……」 気持ちいいのと恥ずかしいのが入り交じる。 その時クイッと彼の指が前立腺を引っ掻いて、キュッと喉が鳴り背中が反れた。 「あぁっ、ゃ、だめ、だめっ」 達したすぐ後、指の本数が増えてそれが奥を突く。 「──ッ!!」 続け様に絶頂して一気に脱力すると、彼は指を抜いて、僕の両手を押えていた手を離した。 ぼんやりしたままヒロ君を見ると、いつもよりずっと男らしい厳しい顔をしていて心臓がやけに大きく音を立てる。 「っぅ、ヒロ君……っ」 「ん、挿れていい?」 小さく頷いて返事をし、自分で足を軽く抱えると彼は獲物を見るような目で僕を見たあと、クッと口角を上げて顔を寄せてくる。 「蒼太、大好き」 「ぁ……」 至近距離で見つめあう。 後孔がキュンと勝手に動いて、今すぐ熱いそれが欲しくなった。 「僕も、大好き」 同じ『大好き』を返すと、ヒロ君は綺麗に笑う。 その顔に見とれているうちに後孔に宛てがわれた熱。期待して速くなる呼吸を抑えるようにキスされる。 「ん、んっ、んぅぅ……っ!!」 そのままペニスが挿入され、それだけで深い絶頂の波に飲まれた。

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