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第61話
トン。奥の壁に先端が当たる。
唇が離れて、額同士がコツンと触れ合った。
「ん、はぁ、はぁー……っ」
「はぁ……」
そばにいる彼の首に腕を回す。
『好き』が爆発しそうなほどヒロ君が愛しくて、勝手に涙が溢れ目尻から零れる。
「蒼太……?痛い?」
「ぁ、違うくて……ヒロ君が、好きすぎて、なんか胸がいっぱいになって……」
「あはは、可愛い。俺も好きだよ」
ちゅ、ちゅっと何度もキスをして、後孔が馴染んだ頃に彼がゆっくりと動き出した。
「はっ、ん、ぁ……あ、あっ!」
長いストロークで、ズルズルと抜いてはカリで前立腺を引っ掻くようにして奥まで入ってくる。
ひっきりなしに声が出て、快感に押しつぶされそう。
藻掻くようにシーツをかいてギュッと掴んだり、気持ちよくて下腹を押さえたりしてしまう。
「んっ、あぁっ、ぁ、きもち、い……っ!」
強く目を閉じて、快感を逃がそうと背中を丸めるとヒロ君に肩を押さえられて元の体勢に戻された。
「あっ、あ、あ……ぁ……っ!」
段々と長かったストロークが短くなり、動きも速くなった。
何度も奥を突かれ、目の前が白くチカチカ点滅し始める。
「ひっ、い、く……っ、いく、イ、くぅ……っ!」
足が勝手に痙攣して腰がグッと浮く。
ヒロ君は強く僕の腰を掴んで動きを止めた。
脱力しても細かい震えは止まらずに、勝手に漏れていく声。
額にかかった髪をサラリと退けてくれた彼は、そのまま優しいキスをした。
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