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第62話

■ 朝の五時。 けたたましく鳴るアラームで目が覚める。 重だるい体を起こして深く息を吐いた。 昨日、どのタイミングで落ちたのか全く思い出せない。 体は少しペタペタしているような気がする。 「……シャワー……浴びなきゃ……」 喉が掠れて声が出づらい。 隣に眠るヒロ君を起こさないようにそろっとベッドを抜けて、腰を庇うようにして浴室まで歩く。 「わ……すごい跡……」 浴室の鏡に映る自分の姿に驚いて口元が引きつる。 体の至る所に噛み跡やキスマークがあって、けれど考えてはくれていたのか服では隠せない部分にはそれが無い。 ところどころヒリヒリするけれど、我慢できる程度だ。温かいお湯を頭から被って朝の洗顔もそこで終わらせる。 そうしてスッキリした後、浴室を出て髪を乾かした。 今日は久しぶりにお弁当を作ろうかな。 とりあえずメニューを考えないと。そう思ってベッドまでスマホを取りに行く。 こっそり枕元に行ってスマホを取ろうとして、いきなり腰にヒロ君の腕が回ってきたのに驚いた。

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