92 / 143

第92話

■ 「歓迎会以来だな、上住君と飲むの!」 「そうですね」 会社近くの居酒屋でビールを飲んで、チョビチョビご飯をツマむ。 下戸なので、一杯飲むとそれだけで顔が赤くなり体もカッカと熱くなる。 「最近どう?仕事は。無理してない?」 「あはは、大丈夫ですよ。皆さん助けてくれるし。」 「それは上住君が真面目だし、頑張ってくれてるのを知ってるからだよ。」 「ありがとうございます」 新しいビールが運ばれてきて、それにまた口をつける。 美味しい。久々に飲んだ。 ポンポンとテンポよく会話をしたいたのが、段々とフワフワしてきて、北田さんが僕の前にお水を置く。 「はい。そろそろ水飲んで」 「ぁ、すみません」 「それで?やっぱりプライベートでなんかあったんだろ。」 「……ちょっとだけ」 「俺が聞いていい話?」 どうしよう、話していいのかな。 そう思っていたのに、お酒に侵された頭は勝手に口を開いて声を出す。 「……恋人の友達と会ったんです。その人のこと、恋人は何も思ってない、昔からただの友達だったって言ってたんですけど……、その友達は付き合ってたって。」 「ホヮ……」 「んふ、なんですかその反応」 「いや、なんか、面倒くさそう……。それで上住君はその……恋人さんのこと、疑ってるんだ?」 ハッキリと言われると頷きたくなくなる。 信じられないんじゃない。寧ろヒロ君のことを信じたい。 だけど。

ともだちにシェアしよう!