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第102話
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どうやって家に帰ってきたのか覚えていない。
気がつけばヒロ君の家にいて、ベッドに寝転がされていた。
「ん、ヒロ君、やだ、離れないで……っ」
「蒼太待って、俺も結構限界」
すぐに距離を取った彼に寂しさを感じながら、彼の匂いがする布団や枕を手繰り寄せる。
彼と初めて会った時ぶりの発情期。
誘発剤で無理矢理引き起こされたことが腹立たしいけれど、それどころじゃない。
「ひ、ぅ……ン!むぅ……っ」
襲ってくる熱に震えていると、いきなりヒロ君に深いキスをされた。
舌が絡められる。唾液が甘く感じて、どちらともないそれを飲み込むと唇が離れていく。
「とりあえず、発情期が治まってから、今日の話をしよう……?」
「ンッ!」
「あいつに誘発剤使われたのが腹立つけど……蒼太、抱いていい?」
「ぁ、もう、早く欲しい……っ」
「ねえ俺、噛んでもいい?番になりたいよ」
何度も首を縦に振って頷く。
そうするとヒロ君は漸く安心したように微笑んで、僕の服を脱がせていく。
スルッとお腹を撫でられて、大袈裟なくらいビクッと体が跳ねた。
「ぁ、ぅ、ヒロ君、」
「下着脱がすから腰上げて」
「っ……わ、笑わないで……」
「ん?」
よくわかっていない様子の彼。
でも下着を脱がされるのは正直、とても恥ずかしい。
だってもう後孔はじっとりと濡れているはずだから。
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