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第112話
お風呂から上がり髪を乾かし終えると、ヒロ君と一緒に簡単なご飯を作った。
それを食べたあとは、ソファに座ってあの日の話をする。
「俺、ちょうど家に着いたって時に新木から連絡が来たんだよ。」
「え、新木さん?」
ウンウンと頷く彼。
どうして新木さんが?と思っていると理由を話してくれる。
僕と宇垣さんがお店から消えたあと、一人残った北田さんは僕には恋人がいるということと、その恋人は北田さんが知っている人であることを思い出したらしい。
「それに北田さんの前で発情期になったんだろ?それならオメガだってことは必然的にわかるじゃん?」
「ああ……うん。」
そこから、僕の恋人はアルファなんじゃないかと考えを絞り、アルファで北田さんの知っている人を考えた結果、ヒロ君が浮かんだとか。
「それで慌てて俺の部署に電話を掛けたみたいで、残業してた新木が電話を取ったんだ。橋本さん居ますかって。緊急なんですって。あまりの慌てように新木がすぐ俺に連絡くれた。」
「……そうなんだ」
「それで、新木が北田さんの電話番号聞いててくれたから、俺から北田さんに電話したら、蒼太が女性に連れて行かれたって。とりあえず合流してこの人?って美波の写真見せたらそうだって言うから……」
彼が僕の肩にトンと頭を預けてくる。
深い溜息を吐いた彼は気持ちを鎮めようとしているようにも見えて。
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