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第115話

■ 発情期が治まると、まず最初にヒロ君と警察署に行った。 事情聴取を受けることになって、担当してくれた警察官の人は宇垣さんが使っていた誘発剤は海外からの輸入品だったと教えてくれた。しかも国内では禁止されている違法なもので、それを輸入していた業者から購入していたとか。 それ以上、彼女の事は何も聞かなかった。 事情聴取には思っていたより長い時間がかかり、警察署から出る頃にはヘトヘトで。 気晴らしに、とヒロ君が半個室のカフェに連れて行ってもらい、そこで大きなパフェを食べる。 「美味しい!ヒロ君も食べない?」 「俺も食べるー!アーンして」 「……アーン」 誰も見ていないしいいか、とパフェを乗せたスプーンを差し出す。 パクッと食べた彼は嬉しそうに口角を上げて「うま」と一言呟くように言う。 「じゃあヒロ君も食べようよ。半分こしよ」 「いいの?嬉しい。ありがとね」 「ううん。元々一緒に食べようと思ってたんだよ。ほら、大きいし」 そうして二人で同じパフェを突き、あともう少しで無くなるという所でスプーンを置いた。 「これ食べたらもう帰る?」 「うん。そうだね。疲れたでしょ」 「……あ、でも北田さんとか、新木さんとか……他にも同じ部署の人達に迷惑掛けたから菓子折り買いに行きたい。」 「ああ、確かにそうだ。俺も一緒に選ばせてほしいな」 頷くと、彼は空になったグラスにスプーンを入れる。 「じゃあ行こっか」 「うん」 ヒロ君に手を取られる。 誰にも見られないように立ち上がるとすぐに手を離してカフェを出た。

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