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第122話

「僕の場合は、すごく迷惑を掛けてしまっているから……」 「迷惑ってさ、誰かが言った?」 「あ……いや……」 「橋本さんは多分、上住君が一人で抱えている方が嫌だと思う。だって……ほら、アルファはオメガを守るためにいるわけだから。」 彼の言葉にポカンとしていると、肩を掴まれ、椅子に座るように促される。 それに従って北田さんを見上げると、眉を八の字にして「ね?」と小首を傾げる。 「それに橋本さんとは番関係なんだろ?だから余計に自分の番が悩んでたら一緒に解決策を考えたいって思ってるよ。」 「……そう、でしょうか」 「うん。上住君が一人で頑張れる強い人なんだってことは知ってる。悩んでも誰にも打ち明けずに、あまり人を頼らずに戦おうとする性格なんだろうなって思う。でも、たまには橋本さんを信じて頼ってみるのもいいと思う。あんなに愛されてるんだ、それをわかってあげてほしい。」 アルファはオメガを守るため。 ヒロ君を信じて頼る。 北田さんに言われたことを考えていると、「お疲れ様でーす!」と明るい声が聞こえた。 聞きなれた声。ヒロ君だ。 入口を見れば彼が立っていて、目が合うと柔らかく微笑んでくれた。

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