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第132話
「わ……可愛い。どうしよう……え、キスしたい。顔見せてよ」
「やだ、今やだ!」
「えぇ?でも見たい」
「あー!!」
ズリズリ、離れていったヒロ君のせいで顔を見られてしまった。
多分もう真っ赤になっているだろう。顔が熱い。
「真っ赤じゃん。」
「……やだって言ったのに」
「可愛いよ。」
ちゅ、ちゅっと何度も触れるだけのキスを繰り返される。
擽ったくて手を突っぱねると、その手を取られ引き寄せられる。
「んぅっ!」
「あー、可愛い。うん。俺蒼太のことめちゃくちゃ好きだよ。愛してるよ」
「わ、わかってるし……」
「蒼太は?」
「ん、あ、愛してる……」
「ンー!嬉し!」
「ぐぅ……っ」
強く抱きしめられる。苦しくて胸を叩くのに彼はやめない。
お風呂が湧いて、目を合わせたあと、自然と二人で浴室に向かっていた。
いつも通り髪と体を洗い、湯船に浸かる。
お風呂から出ると髪を乾かして、歯を磨いた。
フワフワ欠伸をしているヒロ君に、少しでも何かをお返ししたいんだったと思い出して、寝転んだ彼のお腹の上に跨ってみる。
「ん?何、どした?」
「……別に」
「……なあに。甘えたくなった?」
目尻を下げて優しく問いかけてくるそれに頷きそうになって、慌てて首を左右に震る。
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