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第133話
「ひ、ヒロ君に、したいことがある」
「俺にしたいこと?」
「ん。」
「えー、何だろう。いいよ、痛いことはヤだけど」
「痛くないよ」
いいよって言ってくれたのが嬉しくて、ズリズリ彼の上から降りて下履きをズラす。
ギョッとした顔の彼には気付かないふりをして、ポロンと出た何の反応もしていないフニャフニャなそれに触れる。
「んっ、ぇ、蒼太がしたいことって何!?」
「……フェラチオ」
ボソッと呟いたそれをしっかりと拾ったみたいで、ヒロ君は目をパシパシさせた後、嬉しさを隠しきれていない表情で「何で?」と聞いてくる。
「ヒロ君に気持ちよくなってほしいから」
「えぇ……俺も蒼太のこと良くしたいな」
「うん。でもいつもしてもらってばかりだし。その……ヒロ君を好きって気持ちがほんの少しでも伝わると嬉しいし……」
「だからフェラ?」
「行動には行動で返したいって思って……。僕にできること、これくらいしかないし。あ、ちょっとくらい苦しくても大丈夫だから、好きに動いていいからね!」
そう言って意気揚々と彼のそれに口を付けようとした時、クイッと髪を引っ張られ止められる。
「……蒼太が気持ちよくなくて、俺だけが気持ちいいことは要らないよ。」
下半身だけでた格好をしてるのに、表情は真剣だ。そのアンバランスさに笑ってしまいそうになるのをこらえて、コクリ頷く。
「あのね、僕……これするの好きだよ、苦しいのもヒロ君のなら気持ちいいし……」
「……」
「ぁ、もしかして、僕が下手くそだから嫌……?」
「そんなわけないだろ!」
「わ、怖。声デカ……。じゃあ、やってもいい……?」
「お願いします」
力を抜いて、けれど僕から視線を外さないヒロ君。
恥ずかしいけど、ヒロ君のそれに顔を近づけてちゅっとキスをした。
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