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7月5日 夜に待ち合わせる
17時50分ーーー。
待ち合わせ場所に向かうと、すでに小泉さんがいた。
「す、すみません、待たせてしまって。」
「大丈夫ですよ。俺も今来たばかりなので。」
相変わらず私服がオシャレで淡い水色の細めのジーパンに白いTシャツ、その上にグレーの薄手のカーディガンを羽織っている。
一方、俺はハーフ丈のパンツに半袖のパーカー。よく学生みたいだと言われる。
背も高いし細いし、羨ましい反面何から何まで好みのど真ん中すぎて困る。
「そこの角を曲がったところに食事も美味しいバーがあるんだけど、そこでもいいですか?」
「はい。あ、でも俺、バーって行ったことなくて。」
「大丈夫だよ。カジュアルな店だし、気楽に飲めて食べられるところなんだ。」
ポンと肩を抱かれ、歩いていく。
え?え?ええええ??
なんか、手慣れてる??
「あっ、ごめん。つい、」
店の前まで来てようやく気づいたのかパッと手を離す。
店に入ると、テーブル席に案内された。
店内は明るめな洋楽が流れていて、比較的に若めな客が多いという印象。
「尚弥先生はお酒、飲める?」
「はい、一応は。」
「これはアルコールがそんなに強くないからオススメ。」
メニューを指差しながら教えてくれたのはバイオレットフィズというカクテル。
「それにしてみます。」
さすが大人の男性という感じ。
あっという間にメニューを決めて、お酒がくるのを待っている。
「すみません。俺、かなり強引でしたよね。本当は先生の立場上、保護者の一人と出掛けたりは駄目でしたよね。」
「あー、まあ・・・・・・あまり良くはないですね。それでも、その・・・俺が来たかった、ので。」
「・・・・・・先生って、可愛いってよく言われません?」
「は?い、言われませんよっ!?」
可愛いって何!?
小泉さん、俺のことそんな風に思ってるの?
もしかして、もしかするとあの短冊ってーーー・・・・・・。
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