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7月6日 俺の願いは・・・

お昼ご飯が終わり、お昼寝の時間。 子供たちを寝かしつけると連絡ノートの確認作業をする。 園からの連絡を書くのは日勤の先生の担当で遅番のときは一通り目を通す。 あ、ひろとくんのだ。 中を見ると、おばあちゃんに預けられていたからかいつものパパの字ではなかった。 確認し終えてから、俺は残っていた短冊に自分の願いを書く。 午後からは手の空いている先生たちで笹に短冊やらを飾り付けていく。 17時30分ーーー。 「小泉です。ひろとのお迎えに来ました。」 ひろとくん含めた数人の男の子たちと戦隊モノごっこをしていたときに、小泉さんが現れた。 俺は悪役でちょうどヤラレタところ。 「あ・・・・・・。」 俺は起き上がって、ひろとくんを呼ぶ。 「パパ、今ね、なおやせんせいをたおしたところなんだ!」 自信満々にパパに伝えるひろとくんが可愛くて思わず笑ってしまう。 「ひろとは強いなあ。」 小泉さんがひろとくんの頭をよしよしと撫でる。 「尚弥先生、今日もありがとうございました。明日もよろしくお願いします。」 「はい。それじゃ、ひろとくん、また明日ね。」 ひろとくんたちが帰り、俺はそっと息を吐いた。 緊張した・・・・・・俺、普通にできてたよね? というか、小泉さんがあまりにも普通すぎて何だかすごいなあと思ってしまう。 最後の子供を送り届けて、後片付けやらをして俺ともう一人の遅番の先生は保育園を出た。

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