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7月7日 金曜日は七夕行事
◇ Friday ◇
「なおやせんせー!おはよー!」
「ひろとくん、おはよう。」
「尚弥先生、おはようございます。」
「おはようございます、小泉さん。」
「ぼくね、きょうのたなばた、すっごくたのしみなんだー!」
「せんせいたちもかざりつけがんばったから、たのしみにしててな?」
よしよしと頭を撫でる。
ひろとくんはそのまま自分のクラスへと向かって行った。
「あの、今日の行事で使った笹飾り、お迎えのときに見れるのでぜひホールに寄ってから帰ってくださいね。」
「そうなんですね、楽しみにしてます。」
ふわっと笑う小泉さんに胸がきゅんとなる。
やっぱり好きだ。
「あ、尚弥先生。ここに何かついてますよ。」
そう言って近づくとーーー・・・・・・。
「(ボソ)夜、電話して。」
耳元でそう言うとすぐに離れ、それじゃあまた後でと言って園を出る。
「・・・・・・やっぱりズルいな、あの人は。」
あーいうことをサラっとできちゃうところとか大人の余裕って感じがしてズルいなって思う。
俺も小泉さんくらいの年齢になったら、少しは余裕持つことできるのかな?
◇◇◇◇◇◇
「はーい、今日は何の日かわかる子いるかな?」
「たなばたー。」「おりひめさまとひこぼしさまがあえるひ。」「あまのがわ!」
子供たちが口々に答える。
年長さんにもなればみんなよくわかってるなあ。
「みんな正解。今日は七夕。保育園でも七夕祭りをするよ。愛子先生が来たら、みんなでホールに移動するよ。昨日、みんながお昼寝してるときに先生たちで飾り付け頑張ったから楽しみにしててね。」
未就園児クラスから年長クラスまでそれぞれ30分で交替しながらホールで歌ったりお遊戯をしたりする。
その後は給食を食べてお昼寝の時間。
俺は昨日書いた短冊をエプロンのポケットにしまう。
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