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7月7日 決意

「そうだよー!ぼくがいまからたすけようとしたところなの!」 「そっか。ひろとはエライな。お姫様をちゃんと守れて。」 小泉さんがひろとくんの頭を撫でるとひろとくんはすごく嬉しそうにする。俺はこの瞬間が好き。パパとママと離れて一日を過ごした子供たちが迎えに来てくれて、褒められて嬉しそうな顔してるのを見ると保育士になって良かったって思える。 「それじゃあ、パパもひろとと一緒にお姫様を守ってやるかな。」 一瞬だけチラっと俺を見てからひろとくんに向かってそう言う。 「・・・・・・小泉さん!ぜひホールに飾ってる七夕飾りを見てから帰ってください。愛子先生、ちょっと案内してきます。」 ひろとくんと小泉さんと俺は部屋を出てホールへ向かう。 「おぉ!これは立派ですねー。」 「毎年、ご近所の方が譲ってくれるんですよ。あ、年長さんのはこっちです。」 クラスのみんなの短冊が飾られた笹の前で、ひろとくんのが飾ってある場所を教える。 真ん中より少し下にひろとくんの短冊はある。 来週には時期が終わるけれど、親子の短冊をつけた笹をそれぞれが持ち帰ってもらう予定だ。 「・・・・・・小泉さんのはココです。」 ひろとくんの短冊で少し隠すように飾っておいた。わかりづらくはしておいたつもりだけど、バレたらヤバイだろうなぁ。 「あの、小泉さん。」 「はい?」 「俺のはこっちにあるんですけど、それとは別でもう一枚書いてて・・・・・・それがこれなんですけど。」 ポケットから短冊を取り出して小泉さんだけに見せる。 『俺で良ければよろしくお願いします』 「これは、飾れないので、小泉さんとひろとくんの飾りと一緒に渡します。」 何か急にものすごく恥ずかしくなってきた。 意味、わかってくれたかな? 「・・・・・・今日から日曜日までひろとは実家に泊まるんです。ひろとの従兄弟も来るので。なので、今日、会いたいです。電話必ずして。」 小泉さんは早口でボソボソっとそんなことを言う。 「・・・・・・はい。」 「さて、ひろと、もう帰ろうか。今日はばあばの家だからな。」 「あっ!そうだったー!せんせい、さようなら。」 「はーい、さようなら。また月曜日にね。」 ひろとくんと小泉さんに手を振り、ホールで別れた。

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