彼は二次元をこよなく愛し三次元を脳内で二次元化させ萌えるという特殊な脳みその持ち主であった。 腐臭漂う二次元フィルタを通せば、殺伐とした空気も彼にとっては甘い物へと変わる。 ――言い争ってその流れで壁ドンとか壁ドンとか壁ドンとかしないだろうか。 「朝比奈は一之瀬が兎飼い始めたから羨ましいんだな！」 羽田の発言に一之瀬が「土下座して頼んだら譲ってやるよ」と口角を上げる。 朝比奈が唇を開く前に羽田が「そうだ、一之瀬の家に遊びに行こうぜ！兎もっふもっふしてやんだ」と親指を立てる。 白い歯がきらりと光った気がした。 朝比奈はまじまじと羽田を見る。 珍しい生き物を見るかのような視線だ。 「羽田は馬鹿なのか？何故そうなる？お前の頭の中には土でも詰まってるのか？細菌が蔓延しているのか？」 「心配すんなって！」 「してない」 五十嵐は一之瀬と朝比奈の二人を眺める。背丈も体格も似たようなものだ。 いや、脱いだら違うかもしれない。 朝比奈と一之瀬でカップリングを組んだ場合どちらが攻めでどっちが受けだろう。 どちらも似た属性、強気受けっぽいしなぁ、限りなく攻めに近い受けって美味しい…。 しかし鬼畜攻めもイケそうな気がする。 クール攻め、鬼畜攻め…良い。 でもクール受けはもっと良い。迷うところだ。 『糞生意気な美化衛生委員を調教する風紀委員』 しかし、朝比奈はむちゃくちゃ喧嘩が強いと弟の更紗に聞いたことがある。ということは… 『調教するつもりだったが逆に調教されてしまう風紀委員』 ――となってしまう。いや、まて。 一之瀬も馬鹿みたいに強いらしい。血みどろの喧嘩のあとでドロドロの性愛か…。 ビターな内容も美味しい。しかし、朝比奈は性に関しては潔癖な性格と聞いたこともある。 その手の話題を極端に嫌うらしい。 いやいや愛があればそんなもの！！ ボコリ愛最高。