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第6話:『二次元>>>>>>>三次元』

先ほどの評議会最高でした。 監査委員最高。 頭の中で色々なことを妄想しながら、しかし真剣そのものの表情で五十嵐はパソコンのキーボードをリズミカルに打つ。 キリの良い所で一度データを保存し、生徒会室中央に設置されたソファに目をやると生徒会長の春日がソファでプラスチック製のカップを片手に、雑誌―――週刊なんたらとかいう、芸能人のスキャンダルをこれでも かというほど下品に書き連ねたものだ―――片手に、隣に座る兄崎とグラビアアイドルのスタイルについて仲良く議論している。 「やはり女は顔と乳だな。」 春日がにやりと笑う。 「俺は胸より尻かなぁ。あと太腿のむっちり感とか良くない?」 「成程。優紀は下半身重視か」「女に関してはね。」 週刊誌をばさりとセンターテーブルに投げると、下着姿の女の写真が見える。 「俺はオッパイもお尻もでかい方が好きだねー」 会長目的に生徒会室に入り浸る会計監査委員のフレデリックが二人の向かいに腰かけたまま、けらけらと笑っている。同じ監査委員でも総攻めオーラを放っている他の監査委員様とは大違いだ。もう少し頑張れ。と五十嵐は心の中でため息をつく。 「両手でも収まりきらないオッパイと大きなお尻にむっちむちの太腿。最高じゃない?」 「五十嵐はどう思うよ。」 突然兄崎から向けられた矛先に五十嵐は眉を下げる。 他人でカップリングを妄想するのは良い。三次元だろうと、すべて頭の中で二次元化して萌えるのが楽しい。しかし自身に向けられると答えようがない。 何故なら自分では萌えないし二次元命だからだ。

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