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第7話:『二次元美少女持って来い!』
「あまり興味ないかな…」
「え~またまた。恥ずかしがらなくて良いからさぁ。」
「どんな子がタイプ?そういやお前見た目は悪くないのにあまりもてないよな…つーか、友達も少なそうだし」
「彼女とかいるの?」
矢継ぎ早にくる質問に「いいえ」と否定する。
兄崎が好色な笑みを浮かべ、目の前に雑誌を広げる。
薄い体をしたうら若き女性がシャツ一枚の姿でシーツに埋もれている。
僅かに開かれたシャツの間から覗く胸元。
「…この格好…寒そう…」
その感想に一同あんぐりと口を開く。
何その顔。
「んーじゃぁ、ちょっとムラムラしてみようか」
兄崎は自分のデスクに本と一緒に立てられたマニラ封筒を取り上げ中から雑誌を出しパラパラと捲る。
「おっ、良いもん持ってるじゃん」
嬉しそうな笑顔で春日とフレデリックが兄崎の手元をのぞき込んでいる。
「ちょっと待てってよ五十嵐。お兄様おすすめのページ見せてやっからねぇー」
誰も頼んでいない。
俯き加減でキーボードをたたきながら小さくため息を漏らした。
グラビアアイドルなど興味が無いので、感想を求められても困る。
頭上より紙を捲る音が止む。
「おっこれこれ」
「良いじゃん。あぁ、抱きたいなぁ、こういうの」
日焼けしたゴージャスな肌に、抜群のスタイル。
挑発的に上げた口角。睨み付けるような青い瞳。
長い金髪は綺麗に結い上げられている。
ワイルドな笑みで、ソファに横座りした彼女の身に着けているものはファーのついたハイヒールのみ。挑むように裸体を晒す美女を見せた瞬間、五十嵐は思わず大きな声を張り上げた。先ほど見せられたグラビアアイドルの写真ではない。これは正真正銘の――
「エロ本じゃないですか。変な物見せないで下さい。いやらしい。」
変なもの見せるな。
むしろこの構図で二次元美女もってこいとパソコンを投げつけたくなる。
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