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第8話:『黙れ小僧』
「いやっほぉい!!!理想的な反応だぜぇ!うっわーかーわーいーいー。」
兄崎、春日がげらげらと笑う。目に涙まで浮かべる始末だ。
「なんですか!最低ですね!先輩方これセクハラです!」
わざと先輩と強調してみるが、いやらしくニヤニヤと笑うばかりだ。
同級生のフレデリックが眩しいくらいの笑顔を五十嵐に向けた。
「またまた!そんな童貞みたいな事いうなよ。この子なんてどうだい。オズが前かがみになったくらいの巨乳で美乳だぞ。」
オズというのは春日の愛称だ。「本当最低ですね!」五十嵐は軽蔑のまなざしを向けるが、春日は「おい、そんな目で見られたらときめいちゃうだろ」なんて揶揄い交じりに笑う。
自ら長い爪を大腿内側に食い込ませ、秘部を晒した女の顔はうっとりと上気している。形よく上向いた豊かな乳房。子供のようにつるりとした陰部は愛液で濡れて光っている。
あぁ、これが二次元美女なら五十嵐も前かがみになっただろう。
しかし、残念ながら雑誌の中にいるのは三次元美女だ。所詮三次元。
五十嵐の中で三次元美女が二次元美女を超すことなど不可能だ。
「はは。どうよ。お子様には、きついか?ん?」
「いやいや、今時女の裸くらいで騒ぐやつぁいねぇだろ。もしかして童貞か?んん?」
会長副会長コンビは酔った中年オヤジのような事を言いながら鼻の下を伸ばしている。この顔をファンの皆様に見せることができたならどんなに良いだろうか。
「ぶはははは!!君、童貞?へぇ。本当にお子様だね。俺なんてとっくに女の子と体験済だよ。大体君と言いサラと言い日本人ってのは…」
「黙れ小僧」
「ふぁ?」
フレデリックが小馬鹿にしたような笑顔を見せるが、五十嵐はため息とともに口にした言葉でそれを遮る。
「…それで?肝心の触手は何処ですか。この美女に触手が巻き付いていれば完璧なんですがね。僕を前屈みにさせたいなら二次元を持ってきてください。」
「は?しょく?え?何?」
顔を上げ目の前に立つ三人を席に着いたまま見上げる。
聞きなれない言葉に目を丸くした表情はどこか間抜けだ。
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