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第9話:『全裸の女=野生動物と何が違う?』

「僕が喜ぶのは二次元のエロスだけだ!!しかし、エロスだけでは萌えません。これっぽっちも萌えません!!全く萌えません。裸の女が転がってる写真なんて野生動物と何が違うというのでしょうか!?いや違わない!!僕の存在価値を掛けて人間性の有無を全否定します。」 「…。なんだかよく分からない言葉が出てきたぞ。おい、優紀、フレディ。所でショクシュってなに」 「知らねぇよ。えーっと、ほれ。この子可愛いよね。顔は可愛いのにスッゴイ体してるよね。俺こういう子も良いと思うなぁ。」 気を取り直して~な雰囲気で、兄崎がヘラりと笑いページを捲る。 「あ、俺この子好みだなぁ」 フレデリックの輝く視線の先を見下ろせば小鹿のような黒い瞳に、あどけなさの残る笑顔の女の裸体がある。白い背中を惜しみなく晒し豊かな胸を隠して肩越しに微笑む姿は中々そそる。 臀部の盛り上がり方が秀逸だ。 これを二次元キャラに変換させてみよう。 あぁ、良い。女子高生キャラで今度こんな雰囲気のイラストを描こう。脳内で二次元美少女にすべてを変換させれば、五十嵐も彼らと同じように美女の写真をみて興奮を感じ始めた。二次元の清楚セクシー美女か。大好物だ。しかし… 「素晴らしい!しかし二次元でふたなりだったら、なお良しですね!」 拳を握り元気よく叫んだ五十嵐に、目の前の三人が色素の薄い目を丸くした。 「五十嵐の言うことは難しくて良くわからないなぁ」 「ふたなりってなに?君の好みの女の子?」 「おい、もっとすげぇの見せてやろうか」 二冊目の雑誌を春日が自分のカバンから取り出す。 「おい春日!お前何持ってきてんだよ!」 「うっせぇ。一年坊から没収したんだよ!」 「自分がほしかっただけだろうが!」 咎めるようなセリフだが、悪代官に山吹色の饅頭を貰う庄屋のような厭らしい笑みを浮かべた兄崎が、期待に満ちた表情を浮かべている。早く中身を見たがるフレデリックをなだめながら、五十嵐の机に新たに猥褻な本を広げた。

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