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第3話
それから数時間。
日付が変わりそうになった頃、寝ようとしていたボクのスマホが鳴った。
番号は先程ワンコールした番号。
ドキドキしながら電話に出た。
「もしもし……」
名前を名乗ると、電話の向こうからボクの名前を確認する男の人の声が聞こえてくる。
その声は、よく知っているものよりも低い気がした。
「初めまして。ごめんね、突然こんな時間に」
「い、いえ……」
どうしよう。
分からない。
限りなく似ているけど、違う気もするし。
「あ、あの、本当に佐久馬さんなんですか?」
ボクは大好きなその名前を口にした。
「そうだよ。信じられないっていうなら今、俺の手元にある君の手紙、読んでみてもいいけど」
「ええっ!?」
ボクが驚いていると、紙を開く音の後に手紙の内容を読む佐久馬さんの声が聞こえてくる。
それは最近書いた手紙で、話す声は聞き覚えのある、あたたかくて優しいものだった。
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