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第6話

イベントが終わり、ボクは会場からホテルに戻っていた。 電話、本当に来るのかな。 半信半疑でいると、着信音が鳴った。 『佐久馬さん』 スマホの画面にはそう表示されていた。 「は、はい!!!」 ドキドキしながら電話に出る。 「湊士くん?」 ボクの名前を尋ねる声。 さっきステージの上で聞いたものと少し違うトーンだった。 「はい、そうです」 「もう移動しちゃった?どこにいるのかな?」 「はい、今は……」 ボクがホテルの名前を言うと、佐久馬さんは今からそっちに行くから近くの駅で待っていて欲しいと言って電話を切った。 会えるんだ。 もっと近い距離で。 その事実にドキドキしながら、ボクは身だしなみを整えて待ち合わせ場所の駅に向かった。

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