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第11話

「嫌じゃない?男の俺にキスされて」 「い、いえっ、そんな事ないです」 「良かった……」 嬉しそうに笑ってくれる佐久馬さん。 もしかしたら、今までも他のファンの方とこんな事があったのかもしれない。 でも、どうでも良かった。 ボクにお手紙をくれて、電話してくれて、ふたりきりで会ってくれて。 それを噛み締めるだけで頭の中はもういっぱいになっていた。 「……こんな気持ちになったの、何年ぶりかな……」 ボクの身体を抱きしめたまま、ベッドに倒す佐久馬さん。 ドキドキしているのが伝わってきて、こちらもますますドキドキしてしまう。 「湊士くん……」 近づいてくる、かっこいいお顔。 色気しかないお声で名前を呼ばれてからまた熱いキスをされて、ボクもそれになんとか応えようとした。 佐久馬さん。 好きです。 大好きです。 あなたに出会えて本当に良かった、っていつも思っています。 そして、あなたと住む世界が違う事は分かっています。 だから、この時を、この瞬間ひとつひとつを、大切に胸に刻みます。 時折聞こえる甘い声と水音と、ベッドの軋む音。 密着した身体から伝わってくる、佐久馬さんの体温。 夢みたいな、でも、今は夢じゃない。 「一生懸命応えてくれて、嬉しいよ」 離れた唇は、舌と共にボクの身体に触れていく。 Tシャツ越しにされていても、その度に身体がゾクゾクして、声が出てしまっていた。 それが恥ずかしくて口元を手で塞いでいたら、 「声、聴かせて」 ってセクシーな声で囁かれて、心臓が止まりそうになる。 佐久馬さんにそう言われてめちゃくちゃ恥ずかしかったけど、ボクは触れられる度に声を上げてしまった。 「可愛い」 「はぁ……っ、恥ずかしいです……っ、ボク、男なのに……っ……」 「気持ちいい時に男も女も関係ないと俺は思うよ」 「あぁ……っ、でも……んん……っ……!」 ボクはいつの間にか裸にされていて、全てを佐久馬さんにさらけ出していた。 「こんなに先っぽ濡らして堅くなってるのを見ると、すげー嬉しい……」 「ひゃ……あぁぁぁっ……!!!」 佐久馬さんのあたたかく大きな手に包まれ何度か扱かれると、ボクはすぐにイッてしまった。

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