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ジャック3

 マーカスの言葉が衝撃すぎて一瞬思考回路が停止した。 マーカスは今何て言った?? 「お~い?ジャック、戻って来~い!何フリーズしてんの?」 「・・・マーカス、もう一回言って?」 「ん?さっきの?俺の体はジャックを求めてるし、心もジャックが好きだってヤツ?」 「・・そう、それ。本当?」 「しつこいなぁ。てか、俺、今日の最初から、もうジャック以外とヤリたくないって言ったよね?何で信じてくれねぇかな??」 「いや、体はそうだろうけど、心までは自信がなかったんだ。男のオレを本気で好きになってもらえるか不安で・・いつかマーカスが女の子の所へ行っちゃうんじゃないかって・・・」 「ばっかだなぁ!!俺、そんな器用じゃねぇし。俺の心と体は繋がってんの。切り離してヤッてたらどっか病むから。ナンパした女の子とも付き合ってもいいと思った子としかヤッてねぇもん。 で、こんなSEXされたら惚れるわっ!!てか、惚れてなきゃここまで体を許さねぇって。」 「・・でも初対面のオレに許したじゃない。」 「ん~、あれなぁ・・俺、後から考えてみたんだけど、多分、初対面でジャックに惚れてたわ。」 はぁっ??!!! マジで??! 「俺、ノンケだったし気付いてなかったけど・・じゃなきゃ流石に酒の席でのノリでホテルまでは行かねぇわ。多分、心の底ではジャックに抱かれてもいいって思ってたんだよ。」 これはオレに都合のいい夢か? 「俺の周りって、ゲイ率めちゃくちゃ高けぇの。いや、ゲイって言うか半分以上は好きになったのがたまたま男ってパターン。 だから俺もあの時ジャックに一目惚れして、心の奥底では抱かれてもいいって思ったんだ。じゃなきゃ絶対ホテルなんか行かねぇもん。実際何度か男にナンパされてっけど、絶対無理だって思ってすぐ逃げたしな。」 ・・ちょっと待って?最後のは聞き捨てならないぞ? 「・・・マーカス、男にナンパされた事あるの?」 「ん?あぁ。たまにあるな。けど、誘われても付いて行った事はねぇよ?飲みに行ったのもジャックだけだ。」 「そう、良かった。オレ、マーカスがあんまりチョロいから心配してたんだよね。オレより前に口説いた男がいたら簡単にそいつのものになってたんじゃないか?って。」 「あ゛ぁ?俺を何だと思ってんだよ?!」 「良かった。本当に良かった。マーカスがオレにだけチョロくて。」 オレはマーカスをギュウギュウ抱きしめる。 「何か言い方が腹立つんだが・・・」 「あぁ、マーカスは可愛いなぁ。オレ、ちょっとは自信持っていいんだね?マーカスがオレに惚れてくれてるって!!」 「お、おぅ・・だから、あんな無茶なSEXはしなくていいぞ・・・」 「何で??!気持ち良くなかった??」 「いや、あり得ねぇ程気持ち良かったからだよっ!!あんなん毎日されたら壊れるわっ!!!マジで死ぬかと思ったんだからな・・・今も足腰が立つ気がしねぇ。」 「え~・・じゃあ、たまにならいい?週末だけとか?」 「毎週とか軽く死ねる気がする・・特別な日だけなっ?誕生日とか記念日とか。」 「うん、まぁいいよ。分かった。」 マーカスはやっぱりバカで可愛いなぁ。そんな約束、ヤリ始めたらお互いに守れるわけがないのに。絶対に「奥まで挿れて」って懇願させてあげる。  マーカスがオレに惚れてくれてるっていう事実を噛み締めながら、オレはヤリ潰してしまったマーカスの世話をする。 「マーカス、何か食べたい物はある?オレ、作るよ。」 「ん~、じゃああれ!ミートパイ!!」 ミートパイはオーストラリアの定番料理だ。冷凍のパイシートがあればそんなに難しくはない。オレ特製のミートソースも大量に作って冷凍してあるし、レンジに付いているオーブン機能を使えば簡単だ。 オレは手早く用意し、オーブンにミートパイを入れ、空いている場所に冷凍食品のハッシュポテトも入れた。焼いている間にミネストローネとサラダも作る。 ミートパイが焼き上がる頃にはすべてが仕上がった。 マーカスの部屋は、簡単なキッチンが付いたワンルームなので、テーブル代わりにしているコタツの上に並べていく。 コタツって最高だよな。マーカスがオレの為に座いすも買ってくれたし、すこぶる快適。 「マーカス、出来たよ。ビールとハイボールも開けちゃう?」 「もっちろん!」 マーカスはビール、オレはハイボールの缶を掲げて乾杯する。 「うっまぁっ!!ジャックのミートパイ最高!!」 「本当?嬉しいなぁ。じゃあ、美味いミートパイを焼けるダンナはいらない?」 「んぐっ!!」 喉を詰まらせ、一気にビールを飲むマーカス。ちょっと落ち着いた後、オレを見つめてこう言ってくれたんだ。 「あぁ。もらってやるよ。」

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