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エピローグ マーカス
こうして俺たちは婚約をした。
婚約ってセレブかラノベかよっ?!って感じだが、まぁ、いつかは結婚しようって約束をしたって事だ。日本では無理だけど、ジャックの故郷のオーストラリアに行けば男同士で結婚出来る。出来るんならやっぱりしたいよな。
だって俺、ジャックの事好きだし。
両親にはまだ言ってないが、まぁ大丈夫だろう。実は叔父のナオさんもゲイだ。MAGのベースのヒロさんと付き合っている。
ウチのじーさんとばーさんは昔の人間なので「ゲイなんて認めない」とナオさんを勘当したらしい。
だが兄であるウチの親父はナオさんを擁護していて、今でも付き合いがあるんだ。母さんもナオさんともヒロさんとも仲が良い。
ヒロさんはゴシックアクセサリーのデザイナーだ。そしてナオさんは、そのアクセを販売する会社を経営している。会社といっても日本のその会社には経理と受注担当の社員が一人ずついるだけで、後は数名のバイトで賄っており、ナオさんとヒロさんはほぼ外国で生活している。基本、コアなファンがいて需要が高いフランスやアメリカで生活しているんだ。
で、年に一度帰って来た際にMAGのライブを演る。一時は活動を休止していたMAGだが、このスタイルになってからは、年に一度のお祭りみたいになっている感がある。
まぁ、そんなナオさんの前例があるから、俺も両親へのカミングアウトは楽観視している。将来的にオーストラリアへ行くって事もナオさんのおかげで言いやすい。
妹も一人いるが、立派な腐女子だから何の心配もない。むしろ狂喜するだろう。
そう、俺はすでにオーストラリアへ移住する覚悟が出来ている。ジャックは日本で仕事をしたいみたいだけど、オーストラリアで結婚していても日本では他人なんて何か悲しい。
ジャックの仕事の内容にもよるけど、ナオさんたちのように時々日本に帰るってスタイルでもいいと思うんだ。
まぁ、ジャックの留学期間はまだ三年あるし、その間に色々考えようと思う。
俺も日本でもオーストラリアでも出来る仕事を選ばなきゃな。
ジャックとはあれからも仲良く過ごしている。仲良くしすぎて俺の体が大変だけどもっ!!
そりゃ、奥の奥まで挿れられるのは気持ちいいよ?けど良すぎてマジでヤバいから特別な日だけにしてって言ってるのに・・ジャックは何かと特別な日を作って来る。
出会った日の記念日とか普通は一年に一回だろっ??!毎月その日を記念日にするか??月命日じゃないんだからっ?!
他にも初めてデートした日とか、初めて手料理を食べた日とか・・夢見がちな女子かっ??!
ヤリ始めるとどうしても快楽に流されがちだから、ヤッてる最中に「今日は○○記念日だからいいよね?」とか聞くのはずるいよな?
ガチでヤラれると次の日まで体がツラいんだよ。だから普段はやめろっ!!
まぁ、ジャックへの不満はそれくらいだ。
後、変わった事と言えば神生類に俺がサポートメンバーとして入った事くらいかな?
カグラが作った曲に生のドラム音を入れたいと言い出し、俺にオファーが来たんだ。正直、めちゃくちゃ悩んだ。
だって、神生類はショウとカグラで完結してるユニットだ(ルイは別枠)。そこに割って入る勇気はなかなか出ない。
だが、「神生類全部に入って欲しいわけじゃない。けどこの曲にはマサカズ先輩のドラムの音が欲しい。」ってカグラに言われ、サポートメンバーとして加入する事に落ち着いた。
俺が入った際のユニット名は神生類+1だ。雅一(みんなは忘れてるかもしれないが俺の本名はマサカズ)の一も入って、最初のコンセプトにも沿っている。
俺も今は組んでいるバンドはないし、久々に思いっきりドラムを叩きたかったってのもある。ショウとカグラが相手なら本気でやっても何の支障もないからな。他のメンバーが下手だと、ドラムの音が目立ちすぎてバランスが悪くなるんだよ。
後、ショウとカグラならジャックが嫉妬しないしなっ!これ大事!!
そんな感じで俺は今最高に幸せだ。
神生類の初ライブの日に、綺麗なお姉さんをお持ち帰りしなくて良かった。
これは、その代わりに綺麗なお兄さんにお持ち帰りされたけど、そのおかげでものすごく幸せになった俺の話だ。
みんなそんな俺の話に付き合ってくれてありがとうっ!!!
「綺麗なお姉さんをお持ち帰りするはずが綺麗なお兄さんにお持ち帰りされてしまった俺の話」 完
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最後までお読みいただき本当にありがとうございました。
本編は完結致しましたが、しばらくは番外編が続きます。
まずは、三年後の二人。ジャックの留学期間が終わり、一旦故郷に帰る際にマーカスも付いて行っちゃった!ってお話。
その後、脇カプの話、神生類+1年越しライブの話、となっております。
みなさま、今しばらくお付き合い頂けると幸いです。
ルコ
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